メタバース記事

メタバースの導入費用の相場は?内訳と安く抑える方法を解説

メタバースの導入費用の相場は?内訳と安く抑える方法を解説

メタバースの導入を検討し始めると、まず壁になるのが「結局いくらかかるのか分からない」という点ではないでしょうか。無料で試せるという情報もあれば、数千万円という見積もりが出てくることもあり、価格の幅があまりに広いため、予算の見当がつけられないという担当者の方も多いはずです。

この記事では、メタバース導入にかかる費用を「初期費用」「月額・ランニングコスト」「運用人件費」に分解し、既製プラットフォームを使う場合と独自に構築する場合の相場レンジを比較します。あわせて、費用を左右する変動要因、安く始めるための選択肢、見積もり依頼時に確認すべき項目まで解説します。読み終えるころには、自社の要件であればおおよそどの価格帯になりそうか、見当がつけられる状態になります。

なお、ここで紹介する金額はいずれも目安であり、幅があります。最終的な費用は要件によって変わるため、必ず複数のベンダーから見積もりを取って比較することをおすすめします。

メタバースの始め方や導入手順そのものについては、メタバースの始め方を解説した記事で詳しく紹介しています。本記事は費用にしぼって解説します。

メタバース導入費用の相場感

結論として、メタバースの費用は「既製プラットフォームを使うか」「独自に構築するか」で大きく変わり、既製プラットフォームなら月額数千円〜十数万円程度から始められる一方、独自構築や高度なカスタマイズを伴う場合は初期費用だけで数百万円、規模によっては数千万円規模になることもあります。

既製プラットフォームは、すでに用意された空間やシステムを間借りする形で利用するため、初期費用を抑えやすく、月額の利用料だけで始められるケースが多いです。一方、独自構築は自社の世界観やブランド体験に合わせて空間やシステムをゼロから作り込むため、企画・設計・3DCG制作・システム開発といった工程がすべて発生し、費用も積み上がっていきます。

どちらが適しているかは、目的(単発イベントなのか、常設の拠点なのか)、想定する同時接続人数、対応したいデバイス、独自機能の必要性によって変わります。次の章で、2つの方式の費用レンジを具体的に比較します。

導入方式で変わる費用相場

既製プラットフォームの利用と独自構築とでは、初期費用・月額費用・導入までの期間のいずれも傾向が異なります。まずは公開情報で確認できる範囲の費用感を表にまとめました。

方式初期費用の目安月額費用の目安導入までの期間目安向いているケース
既製プラットフォーム利用無料〜要見積もり数千円〜十数万円程度(例:Gather Essentialプランは1メンバーあたり月額12米ドル、oVice Business Starterプランは月額36,300円〜・税込年払い)即日〜数週間程度まず試したい、単発イベント、小規模なバーチャルオフィス
独自構築・カスタムプラットフォーム要見積もり(別途)数万円〜要見積もり(同時接続人数に応じた月額制のサービスもあれば、初期構築費+保守費という形もあります)契約から1〜2ヶ月程度が目安ブランド体験を重視したい、独自機能やAPI連携が必要、常設拠点として運用したい

表の金額はいずれも各社公式サイトで確認できる情報をもとにした目安であり、実際の費用はオプションや契約条件によって変動します。なお、ここで挙げた月額は年間契約を前提とした表示であることが多く、月単位の契約では単価が変わる場合があります。特に独自構築の初期費用は要件次第で幅が大きいため、「要見積もり」とした上で、複数社から見積もりを取って比較することをおすすめします。

どちらを選ぶべきか迷う場合は、「まず小さく試したいのか」「ブランド体験として作り込みたいのか」を基準に考えると判断しやすくなります。単発のイベントや社内向けの小規模な施策であれば既製プラットフォームで十分なケースが多く、逆に自社ブランドの世界観を表現したい、継続的な集客や採用の拠点として常設したいという場合は、独自構築やカスタマイズ性の高いプラットフォームのほうが長期的な費用対効果を見込みやすくなります。

費用の内訳を徹底分解

メタバース導入の費用は、大きく「初期費用」「月額・ランニングコスト」「運用人件費・コンテンツ更新費」の3つに分解できます。何にいくらかかっているのかが分かれば、見積書の妥当性も判断しやすくなります。

初期費用に含まれるもの

初期費用には、企画・要件定義、空間制作、3DCG制作、システム開発の4つの工程の費用が含まれます。工程が多く、作り込みの深さに応じて費用が積み上がっていく性質があります。

まず企画・要件定義の段階では、「何のためにメタバースを使うのか」「誰に何を体験してもらうのか」を整理します。ここを丁寧に行うかどうかで、後工程の手戻りの少なさが変わってきます。次に空間制作では、建物やオブジェクトの配置、世界観の設計を行います。既存のテンプレート空間を使うのか、ブランドに合わせて一から設計するのかで、工数が大きく変わるポイントです。

3DCG制作は、アバターやオブジェクト、建築物を実際に立体データとして作り込む工程です。既製の素材を活用するか、オリジナルの3Dモデルを制作するかで費用差が出やすく、特にオリジナルアバターや精巧な建築物の再現は工数がかかります。最後にシステム開発では、会員管理、決済機能、外部システムとの連携(API連携)など、プラットフォームの標準機能にない独自機能を実装する場合に発生します。標準機能だけで要件を満たせるなら、この部分の費用は抑えられます。

月額・ランニングコスト

月額費用の中心は、サーバー費用・プラットフォームのライセンス(利用料)・保守費用の3つです。既製プラットフォームを使う場合はライセンス料に保守がある程度含まれているケースが多く、独自構築の場合はサーバー費用と保守費用を個別に見積もる必要があります。

サーバー費用は、同時接続人数や通信量に応じて変動します。想定する同時接続人数が多いほど、必要なサーバースペックも上がり、月額費用も高くなる傾向があります。ライセンス費用は、プラットフォームが提供する機能や利用人数に応じたプラン料金です。保守費用は、システムの不具合対応、セキュリティアップデート、軽微な改修などをカバーする費用で、契約時にどこまでが保守範囲に含まれるかを必ず確認する必要があります。

運用人件費・コンテンツ更新費

見落とされがちですが、メタバースは「作って終わり」ではなく、常設で運用する場合は継続的な人件費とコンテンツ更新費が発生します。ここを織り込まずに予算を組むと、運用開始後に想定外のコストが発生しやすくなります。

具体的には、空間内でのイベント運営・司会進行、来訪者対応やアバターでの接客、コンテンツ(展示物・動画・配布資料など)の企画と更新、利用状況のレポーティングや改善提案といった業務が継続的に発生します。これらを自社の人員で担うのか、ベンダーの運用支援サービスを利用するのかによっても、月々のコスト構造が変わってきます。

例えば、展示会の一部をメタバース化するだけであれば、運用人件費は一時的なもので済みます。一方、採用広報やブランド体験の拠点として常設運用する場合は、季節ごとのコンテンツ差し替えやイベント企画を継続的に行う必要があり、担当者の工数または外部委託費用を月次の固定コストとして見込んでおく必要があります。常設の拠点として活用する場合は特に、企画段階からこの運用体制とコストを織り込んでおくことが重要です。

費用を左右する変動要因

同じ「メタバース導入」でも、見積もり額には数十万円から数千万円までの幅が出ます。主な変動要因は、空間の作り込み・同時接続人数・対応デバイス・独自機能・多言語対応・常設か単発かの6つです。

空間の作り込みの深さは最も費用に影響する要素です。既存テンプレートをそのまま使うのか、企業ブランドに合わせて建築物やオブジェクトを一から3DCGで制作するのかで、制作費は大きく変わります。同時接続人数は、想定する来場者数やイベント規模によって必要なサーバースペックが変わるため、人数が多いほどサーバー費用・ライセンス費用ともに上がる傾向があります。

対応デバイスも重要な変動要因です。PCのWebブラウザのみに対応するのか、スマートフォンアプリやVRヘッドセットにも対応するのかによって、開発工数と動作検証の手間が増え、費用も上がります。独自機能の有無、例えば会員システムとの連携、決済機能、外部API連携などを実装する場合は、システム開発費が別途発生します。多言語対応が必要な場合も、UIや空間内コンテンツの翻訳・多言語表示対応が追加工数となり、費用に反映されます。

最後に、単発のイベント利用なのか、常設の拠点として継続運用するのかという点も費用構造を大きく左右します。単発イベントであれば期間限定の利用料で済みますが、常設運用の場合は月額のランニングコストに加えて、前述の運用人件費・コンテンツ更新費が継続的に発生する点を踏まえて予算を組む必要があります。

安く始める方法・スモールスタートの考え方

いきなり本格的な独自構築に投資するのではなく、まず既製プラットフォームの無料プランや低価格プランで小さく試し、効果を見ながら投資規模を広げていく「スモールスタート」が、費用対効果を見極めるうえで有効な選択肢です。

既製プラットフォームの中には、無料プランや無料トライアル期間を用意しているサービスもあります。例えばGatherは最初の30日間、主要機能を無料で試せるトライアルを提供しています。こうした仕組みを使えば、初期費用をかけずに「自社の目的にメタバースが合っているか」「社内外の反応はどうか」を検証できます。

検証の段階では、見た目のクオリティよりも、目的に対して機能が足りているかを優先して判断することをおすすめします。小規模な社内イベントや展示会の一部をメタバースに置き換えてみるなど、影響範囲を限定したテーマで試すと、失敗したときのリスクも小さく済みます。検証を経て「継続的に活用できそうだ」「常設の拠点として投資する価値がある」と判断できた段階で、独自構築やより上位のプランへの移行を検討するという順番が、費用面でもリスクを抑えやすい進め方です。

ただし、無料・低価格のプランには、公開範囲の制限やセキュリティレベル、カスタマイズの自由度に制約があることも少なくありません。検証用途を超えて本格的に展開する段階では、制約が事業の要件に合っているかを改めて確認する必要があります。

見積もり依頼時に確認すべき項目

複数のベンダーから見積もりを取る際は、金額の比較だけでなく、保守範囲・追加費用の発生条件・データの所有権・契約期間・運用支援の有無をあわせて確認することで、導入後のトラブルを防げます。

まず保守範囲については、見積もりに「何が含まれていて、何が含まれていないか」を具体的に確認します。不具合対応だけなのか、軽微な改修や機能追加まで含むのかで、運用開始後の追加費用の発生しやすさが変わります。追加費用の発生条件も重要な確認ポイントです。同時接続人数が想定を超えた場合、コンテンツの差し替えや追加が発生した場合など、どのような条件で追加費用が発生するのかを事前に明確にしておきます。

データの所有権も見落とされがちな項目です。制作した3Dデータやコンテンツの著作権・利用権が自社に帰属するのか、ベンダー側に残るのかによって、将来的にベンダーを変更する際の自由度が変わります。契約期間についても、最低契約期間や解約条件、更新のタイミングを確認しておくと、想定外の縛りを避けられます。

最後に、運用支援の有無も確認しておきたい項目です。空間の企画・構築だけを担当するのか、公開後のイベント運営やコンテンツ更新まで継続的に支援してもらえるのかによって、自社で確保すべき運用体制が変わってきます。これらの項目をチェックリスト化し、複数社の見積もりを横並びで比較することで、金額の妥当性も判断しやすくなります。

メタバースの導入方法

費用の全体像をつかんだら、次は実際にどう進めるかです。導入は大きく4つのステップで進みます。

  1. まず目的と対象者を決めます。誰に何をしてもらう場なのかを1つに絞ってください。ここが曖昧なまま見積もりを取ると、必要な機能が膨らんで費用が跳ね上がります。
  2. 次に、既製プラットフォームを使うか独自構築にするかを選びます。前述のとおり、この選択で費用の桁が変わります。まず既製で試し、手応えがあれば独自構築へ進む流れが堅実です。
  3. 複数社へ見積もりを依頼します。同じ条件を書いた依頼書を用意し、横並びで比較できる状態にしておくことが大切です。
  4. 公開後の運用体制を決めてから着手します。誰が更新し、誰がイベントを回すのかを決めずに作ると、公開直後に止まります。

各ステップの具体的な進め方や、プラットフォームごとの選定基準については、メタバースの始め方を解説した記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

よくある質問

ここでは、メタバース導入費用に関して特によく寄せられる質問にお答えします。

メタバースは無料で始められますか

一部のプラットフォームでは、無料プランや無料トライアルを使って検証することが可能です。ただし、公開範囲の制限やセキュリティレベル、カスタマイズの自由度には制約があることが多く、本格的な事業活用には別途プランの検討が必要になります。

中小企業でも導入できますか

既製プラットフォームの中には、少人数向けの低価格プランを用意しているサービスもあり、中小企業でも月額数千円〜数万円程度から利用を始めることが可能です。まずは小規模な範囲で試し、効果を見ながら投資規模を判断することをおすすめします。

導入にはどれくらいの期間がかかりますか

既製プラットフォームを利用する場合は、契約後すぐ〜数週間程度で利用を開始できるケースが多いです。独自に空間を構築する場合は、企画から公開まで1〜2ヶ月程度が目安になることが多く、要件の複雑さによってはさらに時間がかかります。

見積もりはどこに依頼すればいいですか

既製プラットフォームを提供する各社、またはメタバース空間の構築を手がけるベンダー各社に直接問い合わせる方法が一般的です。複数社に同じ要件を伝えて相見積もりを取り、金額だけでなく保守範囲やデータの所有権なども含めて比較することをおすすめします。

費用対効果はどう考えればいいですか

メタバース導入の目的(集客、採用広報、社内コミュニケーション、販促など)に対して、どのような成果指標(来場者数、滞在時間、商談化数など)を置くかを事前に決めておくことが重要です。スモールスタートで検証しながら、指標の推移を見て投資規模を判断する進め方が、費用対効果を見極めるうえで現実的です。

独自構築の費用はなぜベンダーごとに差が出るのですか

同じ「メタバース構築」という依頼でも、ベンダーによって3DCGの作り込みの基準、保守範囲の定義、運用支援の有無が異なるため、見積もり金額に差が出ます。金額だけで比較するのではなく、見積もりに何が含まれているかを揃えたうえで比較することが大切です。なお、月額のプラン料金を公式サイトで公開しているサービスもありますが、初期費用については個別の要件に応じた見積もりとなるのが一般的です。

まとめ

メタバースの導入費用は、既製プラットフォームを使うか独自に構築するかで相場が大きく変わり、幅のある金額になります。既製プラットフォームなら月額数千円〜十数万円程度から始められる一方、独自構築や高度なカスタマイズを伴う場合は初期費用だけで数百万円規模になることもあります。

まずは費用の内訳(初期費用・月額費用・運用人件費)を理解したうえで、自社の目的や想定規模に照らして、既製プラットフォームでの小さな検証から始めるか、独自構築に踏み込むかを判断することをおすすめします。見積もりを依頼する際は、金額だけでなく保守範囲やデータの所有権、運用支援の有無まで確認し、複数社を比較したうえで判断してください。

サービスの詳細は「メタテル」、資料のご請求は「資料請求ページ」からご覧いただけます。

メタテルで理想のメタバースを構築しよう!

新しいオンラインコミュニケーションツールであるメタバースをご活用企業様の思い通りに、UI、空間、機能をカスタマイズできるシステムです。マーケティング、採用でのメタバース活用に最適なツールとなっています。

サービス詳細