お店を開く時、良い土地を探す難しさや高い賃料など様々なことに頭を悩ませたことのある小売業の方は多くいるのではないでしょうか。
「コストはなるべく抑えたいけど、そんな都合の良い物件はないし…」
いいえ、あります。メタバース上に店舗を出せば良いのです。
独自のメタバース空間を構築すれば、現実世界のように競合他社と隣接することもないです。また、メタバース上でユーザーと交流を深めることで、企業自体や商品のプロモーションにも繋がります。
本記事では、メタバース内に店舗を出した企業の例を紹介しながら、詳しく解説していきます。
メタバースとは
まず、始めにそもそも「メタバースって何?」「聞いたことはあるけど、正しく理解できているかは不安」といった方々のために一言でまとめると、
メタバースとは「コミュニケーションを取ることができる仮想空間」です。
今、私たちが暮らしているリアルな世界と同じような世界がオンライン上にあるとイメージしてみると分かりやすいかもしれません。
かなり簡単にまとめてしまっているので、さらに詳しく理解を深めたいという方はこちらの記事を読んでみて下さい。
メタバース内に出店するとは
そんな仮想空間に店舗を出すということはどういうことなのか。
一言に出店といっても実際には様々な方法で店舗をメタバース上に出すことができます。
一つは、その企業独自のメタバースを構築してそこに店舗を出すという方法です、そして、もう一つは、既にメタバースを持っている企業が開催するイベントに参加する形で店舗を出すという方法です。
前者は、自社に強い関心のあるお客様に対して、密なコミュニケーションをとりながら商品の販売ができるメリットがありながら、新規顧客は中々見込めないといったデメリットがあります。
後者は、自社に関心がないお客様でも、イベント参加者として新たに店舗にやってきていただく機会が見込めるため、新規顧客の獲得や自社サービス・製品の宣伝の場としても有効に活用できるというメリットがあります。反対に、自社サービスを詳しく知ってもらいたい場合には、他社店舗に流れていく可能性も高くなるデメリットがあるため、そこの考慮が必要となってきます。
では、どんな企業が実際にメタバース上に出店しているのか見ていきましょう。
出店した企業の紹介
独自のメタバースを構築した企業
Walmart
アメリカのスーパーマーケット市場大手のWalmartは独自のメタバースを開設したことを2022年9月に発表しました。
Walmart Landと呼ばれる仮想空間でユーザーは、有名アーティストの音楽フェスや観覧車・ローラースケートなどのアトラクション、そしてアバターの着せ替えなどを楽しむことができます。
実際のスーパーマーケットのように商品の販売は行われていませんが、企業タイアップのイベントや魅力的なキャラクターコンテンツがあることで、ユーザーのWalmart に対するイメージアップを計っています。
Z世代をターゲットにして運営していることからも、非常にゲーム性の高いメタバースとなっていますが、これからデータの分析が進み、ユーザーからの良いリアクションが増していけば、将来的にメタバース上で商品の売買が行われるようになる可能性が高いです。
メタバース上のイベントに出店した企業
独自のメタバース空間を構築したWalmartとは違い、ここからは株式会社HIKKYが開催するメタバース上のイベント「バーチャルマーケット(Vket)」に出店した企業を紹介していきます。
大丸松坂屋
大丸松坂屋は大手百貨店の中でもメタバース参入が早く、既に3回以上Vketに参加しています。
現実世界の渋谷を真似て構築されたメタバースでハンバーグやお寿司、ローストビーフなどの食品が販売され、スムーズな買い物ができる場として人気を博しました。
現実世界のデパートでもあるような人同士のコミュニケーションがオンラインで円滑に行うことができるのはもちろん、ビールの3Dモデルを使ってユーザーに「V飲み」を推奨したりと、遊びごころも取り入れた空間となっています。
ベルク
ベルクはVketに参加したもう一つのスーパーマーケットです。
大丸松坂屋とは対照的に、ベルクはWalmartと同じようにユーザーへのプロモーションを目的として出店しました。
果物や野菜などの商品の販売は行わず、現実のスーパーマーケットでは絶対に許されない、ショッピングカートを使った店内カートレースを開催するなど、楽しい仕掛けが満載です。
ベルクオリジナルのエナジードリンクであるBARKを飲むとスピードアップするなど、自社製品のプロモーションとメタバースのゲーム性を上手く掛け合わせた試みとなりました。
ビームス
BeamsはVketで大阪・関西をテーマとして店舗を出しました。
バーチャル試着でアバターに服の着せ替えを行ったり、メタバース上でファッションについて店員さんからアドバイスをもらえたりと、オンラインであるのにも関わらず、円滑なコミュニケーションが行えるメタバースの特性を活かした試みでした。
Twitterでバーチャル接客の状況を常時伝えていたことも、ユーザーがメタバースに入室するタイミングを把握しやすいよう考慮したものでした。
また、バーチャルストアの2階部分では、ELAIZA(池田エライザ)のライブパフォーマンスが行われました。本人監修のもとつくられたステージで、オリジナルアバターに扮してデビュー曲を披露したことで、買い物目的以外のユーザーもメタバース空間を楽しむことができるようなイベントでした。
ローソン
最後に紹介するのは、私たちにとって最も身近な存在であるコンビニエンスストアであるローソンです。
秋葉原を模したメタバース上で、ローソンの商品紹介や、からあげクンの制作体験、セルフコーヒーマシン体験など普段目にする商品の裏側を公開する形でユーザーとのさらなるコミュニケーションを図りました。
また、制作体験などのイベントの参加者の中から抽選で、リアルの店舗で使うことの出来る「からあげクン無料クーポン」などが当たるキャンペーンも実施しました。
こういったことから、ローソンの今回の出店は自社製品への理解をユーザーに高めてもらうプロモーション的な意味合いがあったと考えられます。
なぜ名だたる企業が出店するのか
こういった名だたる企業が相次いで出店するのには、メタバースへ店舗を出すということは必ずしも商品販売を行わなければいけないというわけではないということです。
Walmartやベルクなどの企業のように、自社独自のイベントやゲームを開催することでもユーザーへのブランド理解を促進することとなり、将来的な売上の増加に繋げることができます。
ゲームやイベントにとらわれなくても、自社の歴史や企業理念をもっと知ってもらいたいと感じている方々は、メタバースを商品を販売する場としてだけではなく、商品・企業のプロモーションの場として非常に有効であるということを理解し、お客さんとの新たなコミュニケーションの場をつくるという意味でメタバース導入を検討してみてはいかがでしょうか。
メタバース内に店舗を出すメリットについて詳しく知りたいという方はこちらをご覧ください。
導入をサポートする企業は?
導入を検討してみたは良いものの、どこに頼めばメタバース導入を進められるかがわからないという方は、これから紹介する2社を参考にしてみてください。
株式会社Urth
株式会社Urthは建築デザイナーが設計するメタバース空間を強みとした企業です。
一つ一つのメタバース空間を建築デザイナーが設計するで、企業のブランドイメージにマッチした仮想空間を作ることができます。また、建築デザイナーの設計により消費者がコンテンツに自然と目が行きやすくなるので、Webサイトに比べメタバース空間内での滞在時間が長くなります。
さらに、料金は月額5万円からで、リンクをパソコン・スマホからクリックするだけでメタバースにアクセスでき、VRヘッドセットを必要としないことからユーザーにとって手軽に使えるサービスとなっています。
Cluster
cluster株式会社の運営するメタバースはユーザーそれぞれが独自の空間を作成することができます。プログラミングの知識を必要としないことから、経験ゼロの方でも一から簡単にオリジナルのメタバースを作ることができるのです。
他にも様々な企業がメタバース導入のサポートを行っているので、導入を検討している方は自社に合った企業を見つけて、導入を進めてみてください。
まとめ
今回は、メタバースに出店した企業の事例を中心にご紹介しました。まだ馴染みのないメタバースを導入するのはちょっとと思っていた方も、本記事を読み終わったあとには、導入してみても良いのではないかと思われてるのではないでしょうか。
メタバース空間で商品販売を行うのか、お客様に対するプロモーションの場として導入をするのか、一社一社状況が違う中、それぞれに最適な導入方法を探してみてください。
メタテルで理想のメタバースを構築しよう!
新しいオンラインコミュニケーションツールであるメタバースをご活用企業様の思い通りに、UI、空間、機能をカスタマイズできるシステムです。マーケティング、採用でのメタバース活用に最適なツールとなっています。
サービス詳細