最近では、コロナ対策の規制緩和によりインバウンドも増え、観光業は少しずつコロナ前の状況に戻りつつあります。
一方で、少子高齢化による人口減少や地域経済の衰退など、全国の地方自治体では依然として課題が山積しています。そんな中、多くの地方自治体が、それらの課題を解決するためにメタバースをすでに積極活用しています。
本記事では、メタバースを利用した地方創生の具体例とその効果について解説します。この記事を通じて、メタバースが地方創生にどのように貢献できるかのヒントを見つけていただければ幸いです。最後までご覧ください。
- メタバースとは
- 地方創生のためにメタバースができる4つのこと
- メタバースの地方創生への活用事例23選
- ①埼玉県:メタバース上で埼玉の魅力をPR
- ②鳥取県:地域還元型のメタバースゲーム
- ③石川県金沢市:観光しながら楽しめるメタバースコマース
- ④静岡県浜名湖市:「浜名湖花博2024」の情報発信を目的としたメタバース
- ⑤三重県志摩スペイン村:Roblox上にリゾート施設志摩スペイン村を再現
- ⑥兵庫県養父市:かつての日本一の鉱山をメタバース上に再現
- ⑦和歌山県白浜町:メタバース×アートで地方創生へ
- ⑨兵庫県淡路島:淡路島への本社機能を移転にメタバースを活用
- ⑨静岡県焼津市:メタバース上のイベントバーチャルマーケットに出展
- ⑩佐賀県嬉野市:嬉野温泉駅と周辺の観光地を再現した独自のメタバース空間を開設
- ⑪千葉県木更津市など4市:メタバース上で合同の婚活イベントを実施
- ⑫静岡県藤枝市:メタバース体験商談会を実施
- ⑬鹿児島県日置市:メタバース空間を創造するプロジェクト「ネオ日置計画」を開始
- ⑭大阪府泉佐野市:メタバース上のイベントバーチャルマーケットに出展
- ⑮山口県萩市:ふるさと納税のPRにメタバースを活用
- ⑯秋田県:あきた移住・交流メタバース万博で秋田への移住を促進
- ⑰埼玉県:メタバースを活用した町おこしの実証実験を開始
- ⑱山形県村山市:メタバース婚活イベントを開催
- ⑲三重県明和町:メタバースで地域創生を促進
- ⑳山口県宇部市:自然教育メタバースプラットフォームの実証実験
- ㉑新潟県山古志:メタバースとNFTを活用した地域おこし
- ㉒長崎県西海市:メタバースを学べるアカデミーを開講
- ㉓広島県三原市:メタカープを活用した地域おこし
- 多くの自治体はWebメタバースを採用
- Webメタバースサービス2選
- まとめ
メタバースとは
メタバースとは「コミュニケーションできる仮想の空間」のことです。
多くの人が『メタバースはゲーム』や『メタバースを体験するにはVRゴーグルが必要』と思いがちですが、そうとは限りません。
実際にゲーム機能がないメタバースである「VRchat」は国内にとどまらず、海外からの人気も高く、ユーザー同士での交流が盛んに行われています。また、V-air含め多くのメタバースサービスがVRゴーグルなしで利用できます。
メタバースについて詳細に知りたい方は「メタバースとは?できることやメリットデメリット、始め方を詳しく解説」をご覧ください
地方創生のためにメタバースができる4つのこと
地方創生のためにメタバースができることを4つ紹介します。
- ①地域の魅力発信
- ②地方で働く人材の確保
- ③新たな収益機会の創出
- ④文化的資産の保護
①地域の魅力発信を通じた観光誘致
1つ目は、地域の魅力発信を通じた観光誘致です。メタバースで観光地を再現し実際に訪れる前に一度訪れることで、その観光地の魅力を知った人が実際に現地を訪れるきっかけになることが期待されます。
実際に凸版印刷とMONETが実施した、移動中の車内でのメタバース体験の実証実験では、訪れる予定がなかった観光地のメタバース空間を体験した多くの人が、その地に興味を抱き、実際に訪れるようになったという成果が見られました。
このように、メタバースは観光需要を盛り上げる起爆剤として、注目を集めています。
②地方で働く若手人材の確保
2つ目は、地方で働く若手人材の確保です。メタバース上で地方の職場情報を発信し、就職希望者との交流会を開催することで、遠隔地からでも若手人材を確保できることが期待されています。
メタバース上での採用活動は、世界的にもまだ実績が少ないものの、特に採用が困難な地域や業界においては、先駆的な取り組みとして大きな意義があります。これにより、地方の企業や自治体が積極的にメタバースを活用する姿勢を示すことで、新しいものを受けれ入れるオープンな職場環境だとPRが実施でき、若者たちへのアピールにつながります。
地方自治体が積極的にメタバースを活用することで、地域の魅力を広く発信し、若手人材の確保と定着を図ることが期待されます。
③新たな収益機会の創出
3つ目は、新たな収益機会の創出です。メタバースやNFTを活用した観光ビジネスに取り組むことで、新たな収益獲得の機会を生み出すことができます。
メタバース上で仮想の観光地を提供することで、ユーザーは自宅にいながらも観光体験を楽しむことができます。この仮想観光地では、地域の名産品や特産品を販売することが可能です。ここにブロックチェーン技術を絡めてNFTにする企業も多いです。
④文化的資産の継承
4つ目は、文化的資産の継承です。メタバースに文化的価値のある建造物や歴史的な物品を再現することで、半永久的に文化的資産を守り継ぐことができます。メタバースを活用することで、物理的な劣化や災害のリスクを回避し、デジタル空間で保存することが可能です。
また、博物館等で保管する場合と比べ、メタバースではより多くの人々がいつでもどこからでもアクセスできるため、文化的資産を広く継承する意義が大きいといえます。バーチャルツアーやインタラクティブな展示を通じて、教育や観光の分野でも新たな価値を提供できます。
このように、メタバースを活用して文化的資産を保護することは、地域の歴史や文化を次世代に伝えるための有効な手段となります。
メタバースの地方創生への活用事例23選
メタバースの地方創生への代表的な活用事例として以下の23事例が挙げられます。
- ①埼玉県:メタバース上で埼玉の魅力をPR
- ②鳥取県:地域還元型のメタバースゲーム
- ③石川県金沢市:観光しながら楽しめるメタバースコマース
- ④静岡県浜名湖市:「浜名湖花博2024」の情報発信を目的としたメタバース
- ⑤三重県志摩スペイン村:Roblox上にリゾート施設志摩スペイン村を再現
- ⑥兵庫県養父市:かつての日本一の鉱山をメタバース上に再現
- ⑦和歌山県白浜町:メタバース×アートで地方創生へ
- ⑧兵庫県淡路島:淡路島への本社機能を移転にメタバースを活用
- ⑨静岡県焼津市:メタバース上のイベントバーチャルマーケットに出展
- ⑩佐賀県嬉野市:嬉野温泉駅と周辺の観光地を再現した独自のメタバース空間を開設
- ⑪千葉県木更津市ら4市:メタバース上で合同の婚活イベントを実施
- ⑫静岡県藤枝市:メタバース体験商談会を実施
- ⑬鹿児島県日置市:メタバース空間を創造するプロジェクト「ネオ日置計画」を開始
- ⑭大阪府泉佐野市:メタバース上のイベントバーチャルマーケットに出展
- ⑮山口県萩市:ふるさと納税のPRにメタバースを活用
- ⑯秋田県:あきた移住・交流メタバース万博で秋田への移住を促進
- ⑰埼玉県:メタバースを活用した町おこしの実証実験を開始
- ⑱山形県村山市:メタバース婚活イベントを開催
- ⑲三重県明和町:メタバースで地域創生を促進
- ⑳山口県宇部市:自然教育メタバースプラットフォームの実証実験
- ㉑新潟県山古志:メタバースとNFTを活用した地域おこし
- ㉒長崎県西海市:メタバースを学べるアカデミーを開講
- ㉓広島県三原市:メタカープを活用した地域おこし
それぞれの事例をわかりやすく紹介していきます。
①埼玉県:メタバース上で埼玉の魅力をPR
埼玉県が運営している「バーチャル埼玉」は、2023年11月14日にオープンしたデジタルプラットフォームで、埼玉県の魅力をメタバース上で体験できます。このプロジェクトは、移住する人や観光客を増やすなど、県の関係人口を増やすために、県内外に対して埼玉県の魅力を新しい形で発信することを目的としています。
埼玉県の魅力を再発見し、県のイメージアップと政策の認知度向上を図ることを目指しています。特に、さいたまスーパーアリーナや川越の蔵造りの町並みなど、埼玉の象徴的なスポットをメタバース上で再現しており、これらの場所でイベントを開催する予定です。
特設サイトでは、「バーチャル埼玉」の入場方法、空間内の案内、イベント情報などを提供しています。メタバース上では、リアルとは異なる体験が可能で、県庁の各課が設置するPRブースで、埼玉の多様な魅力を楽しむことができます。
②鳥取県:地域還元型のメタバースゲーム
手塚プロダクションとJTBが設立したJ&J事業創造は、日本各地に関連したNFTを活用したメタバースゲームを開発しました。第一弾として鳥取県と提携し、地域経済の回復を目指すプロジェクトを開始しています。
このゲームでは、ユーザーが日本各地の文化や魅力を詰め込んだNFTを保有し、楽しむことができます。NFT同士を合成して新たなカードを生成したり、売買で収益を上げることも可能です。NFTの販売収益の一部は地域産業に寄付され、地域経済の支援に貢献します。
このプロジェクトの主な目的は、コロナ禍で打撃を受けた地域経済と国内観光マーケットの回復を支援することです。NFTを活用して地域の魅力を発信し、経済活動を活性化させ、地域産業への寄付を通じて持続可能な経済モデルを構築します。
③石川県金沢市:観光しながら楽しめるメタバースコマース
「MIHON-ICHI KANAZAWA」のバーチャルショップをメタバース上に開設しました。XR技術を駆使し、新しい買い物体験を提供しています。
このバーチャルショップでは、金沢の特産品を購入することができます。ひがし茶屋街や兼六園など、金沢の観光地が再現されており、観光気分を楽しみながら買い物ができるのが特徴です。さらに、AR技術を用いて商品を試し置きすることも可能です。
このプロジェクトの目的は、ユーザーに新たな買い物体験を提供し、金沢の特産品を広く知ってもらうことです。また、観光地の魅力を発信することで地域経済の活性化も目指しています。
④静岡県浜名湖市:「浜名湖花博2024」の情報発信を目的としたメタバース
静岡県浜松市は、「バーチャル浜名湖花博2024 in 浜名湖ガーデンパーク」を2024年4月から開幕予定の「浜名湖花博2024」の情報発信を目的としてメタバース上に構築しました。
このメタバースでは、アバターを操作して「浜名湖花博2024」会場の草花やイベント、グルメ情報を収集し、他のアバターとの交流を楽しめます。また、カプセルトイから花の種引換券や限定壁紙を入手できます。
Web型メタバースシを採用し、誰もがスマホ、PC、VR端末から快適にアクセスできるよう設計されています。「浜名湖花博2024」に行く予定の人も、現地に行けない人も、メタバース上で花博を楽しむことができます。
⑤三重県志摩スペイン村:Roblox上にリゾート施設志摩スペイン村を再現
三重県志摩市にある志摩スペイン村は、大人気メタバースサービスのRoblox上にリゾート施設を再現しました。この取り組みは、世界で6億人近くが利用するメタバースプラットフォームであるRobloxのユーザーに対して、魅力を伝えることを目的としています。
ユーザーは、志摩スペイン村の広場や街並みを楽しむことができ、スペインの奇祭をモチーフにしたゲームも体験可能です。メタバースを通じて、若者や遠隔地の人々に志摩スペイン村の魅力を伝えることができます。
このプロジェクトは、立地の悪さからアクセスしにくいという課題を克服し、より多くの人々に志摩スペイン村の魅力を知ってもらうことを目指しています。これにより、観光客の増加と地域経済の活性化を図ることが期待されています。
⑥兵庫県養父市:かつての日本一の鉱山をメタバース上に再現
兵庫県にある養父市は、同市の観光名所を再現したメタバース「バーチャルやぶ」をリリースしました。このプロジェクトでは、吉本興業所属タレントとのコラボレーションにより、さまざまなイベントが実施されます。
ユーザーは、明延鉱山の坑道を観光したり、採掘ゲームを楽しんだりすることができます。また、デジタル住民票の交付も可能です。オープニングイベントでは、吉本興業所属のお笑い芸人が参加し、ライブ配信も行われました。
このプロジェクトの目的は、養父市の観光名所や自然を世界中の人々に発信し、観光客の増加を図ることです。メタバースを活用することで、地域経済を活性化させることを目指しています。
⑦和歌山県白浜町:メタバース×アートで地方創生へ
和歌山県白浜町は、NFTマーケットプレイス「nanakusa」の公認アーティストとコラボレーションし、作品の販売や限定NFTの配布キャンペーンを実施しています。バーチャル空間を通じて、新たな地方創生の取り組みを展開しています。
アートとメタバースを融合させることで、地方の魅力を発信し、地域経済を活性化させることがこのプロジェクトの目的です。これにより、新たな形の地方創生モデルを構築することを目指しています。
⑨兵庫県淡路島:淡路島への本社機能を移転にメタバースを活用
パソナは、東京から淡路島への本社機能移転を進める中で、メタバースを活用した新たなリモートワークの形を模索しています。これにより、働き方改革を目指しています。
メタバースを活用することで、リモートで営業や副業を行い、地方でも都心部と変わらない労働環境を提供します。また、アバターセンターを開設し、オペレーターの育成やBPOサービスを展開しています。
この取り組みは、淡路島への本社移転を機に、新たなリモートワークの形を確立し、地方での労働環境を改善することを目的としています。地方創生と働き方改革を同時に推進することを目指しています。
⑨静岡県焼津市:メタバース上のイベントバーチャルマーケットに出展
静岡県焼津市は、メタバースイベント「バーチャルマーケット2022 Winter」に出展し、地域の魅力を発信するとともに、ふるさと納税のPRを行いました。
このイベントでは、ユーザーが「バーチャルマグロ解体ショー」や「バーチャルマグロ一本釣り」を体験できるようになっています。また、地場産品の3Dモデルが展示されており、ふるさと納税寄付サイトに直接アクセスすることも可能です。
このプロジェクトの目的は、メタバースを活用して遠隔地の人々に焼津市の魅力を伝え、ふるさと納税の促進と地域経済の活性化を図ることです。焼津市の特産品を広くPRし、多くの人々に知ってもらうことを目指しています。
⑩佐賀県嬉野市:嬉野温泉駅と周辺の観光地を再現した独自のメタバース空間を開設
佐賀県嬉野市は、西九州新幹線の開業に合わせて、独自のメタバース空間「デジタルモール嬉野」を開設しました。このプロジェクトは、観光地や名産品のPRを目的としています。
ユーザーはメタバース上でアバターとして散策し、クイズやスタンプラリー、名産品のショッピングを楽しむことができます。さらに、コインを集めることでリアル店舗で特典が得られるガチャも用意されています。
この取り組みは、新幹線開業に伴う観光客誘致と地域経済の活性化を目指しています。メタバースを活用することで、嬉野市の魅力を世界中に広く発信することが可能です。
⑪千葉県木更津市など4市:メタバース上で合同の婚活イベントを実施
千葉県木更津市など4市は、メタバース空間「GAIA TOWN」で合同婚活イベントを開催しました。このイベントでは、参加者がアバター姿で交流し、婚活することができます。
参加者は1対1の対話や全体への自己PRを行い、後日マッチングしたカップルはメタバース上でデートを楽しむことができます。双方の合意により、リアルデートに発展する可能性もあります。
この婚活イベントの目的は、見た目や年収などの条件に囚われず、内面からアプローチできる場を提供することです。また、地方自治体の魅力を発信し、地域活性化にも寄与することを目指しています。
⑫静岡県藤枝市:メタバース体験商談会を実施
静岡県藤枝市は、メタバース空間「GAIA TOWN」でメタバース体験商談会を開催し、地域企業のマッチングを促進しています。
この商談会では、ユーザーがアバター姿でブースの店員と音声会話で商談を行うことができます。リアルな展示会が制限される中で、メタバースを活用することで新たなビジネスチャンスを創出しています。
このプロジェクトの目的は、地域企業のマッチングを促進し、コロナ禍で制限されているリアルな商談機会を補完することです。メタバースを活用して地域経済の活性化を図ることを目指しています。
⑬鹿児島県日置市:メタバース空間を創造するプロジェクト「ネオ日置計画」を開始
鹿児島県日置市は、「ネオ日置計画」を開始し、メタバースを活用して地理的な制約を超えた交流を促進し、地域経済の活性化を図っています。
この計画では、日置市の歴史的観光資源を活かし、メタバース上での観光案内やECサイトを展開しています。さらに、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングも実施し、大きな反響を得ています。
メタバースを通じて日置市の魅力を発信し、観光客の増加を図ることを目的としています。また、経済活動のシフトチェンジと地域経済の活性化を目指しています。
⑭大阪府泉佐野市:メタバース上のイベントバーチャルマーケットに出展
大阪府泉佐野市は、メタバースイベント「バーチャルマーケット2022 Winter」に出展し、地域の魅力とふるさと納税品をPRしています。
このイベントでは、ユーザーが肉や地場産品、観光資源を体験できるロデオ体験を楽しむことができます。3Dモデルで展示された商品を見ながら、ふるさと納税寄付サイトに直接アクセスして寄付することも可能です。
泉佐野市の目的は、メタバースを活用して遠隔地の人々に地域の魅力を伝え、ふるさと納税の促進と地域経済の活性化を図ることです。泉佐野市の特産品を広くPRし、多くの人々に知ってもらうことを目指しています。
⑮山口県萩市:ふるさと納税のPRにメタバースを活用
山口県萩市は、メタバース空間「Decentraland」上に独自の展示スペースを設置し、市の魅力とふるさと納税のPRを行っています。
ユーザーはこの展示スペースで萩焼や地酒などの特産品を見て回り、ふるさと納税サイトに直接アクセスすることができます。メタバースを活用し、自然なユーザー導線が設計されています。
この取り組みの目的は、メタバースを活用して地域の魅力を発信し、ふるさと納税の促進を図ることです。萩市の特産品を広くPRし、地域経済の活性化を目指しています。
⑯秋田県:あきた移住・交流メタバース万博で秋田への移住を促進
3DCGプロダクションである株式会社ゼロニウムは、秋田県への移住促進を目的に「あきた移住・交流メタバース万博」を開発し、メタバースを活用して地方創生に取り組んでいます。
ユーザーは秋田県ゆかりのアバターになり、県内の市町村や移住支援情報を収集することができます。2023年3月にはメタバース上で初の移住イベントを開催し、職員や担当者が情報を案内しました。
このプロジェクトは、メタバースを活用して秋田県への移住促進を図ることを目的としています。地域の魅力を発信し、人口流出の抑制と地方創生を目指しています。
⑰埼玉県:メタバースを活用した町おこしの実証実験を開始
三菱総合研究所は、埼玉県や日本ビジネスシステムズなどと協力し、浦和駅から埼玉県庁までの通りをメタバースで再現するプロジェクトを実施しています。
このプロジェクトでは、XR技術を使ってリアル環境を忠実に再現し、観光、買い物、交流などの分野でメタバースの活用方法を検討しています。自治体DX推進の一環として実証実験が行われています。
目的は、メタバースを通じて効果的な行政サービスを提供し、観光地や県有施設の魅力を広く発信することです。これにより、地域経済の活性化と自治体DXの推進を目指しています。
⑱山形県村山市:メタバース婚活イベントを開催
山形県村山市は、東北地方初のメタバース婚活イベント「marry360」を開催しました。参加者はメタバース上で交流し、カップル成立を目指す形式です。
このイベントはバレンタインデーに向けて開催され、参加者はアバター姿で1対1の対話や自己PRを行いました。その結果、参加者の半数近くがカップル成立し、メタバース婚活の効果を示しました。
村山市は、人口流出が進む地方の移住施策として、メタバースを活用した婚活イベントを提供しています。地域の魅力を発信し、移住促進と町おこしを目指す取り組みです。
⑲三重県明和町:メタバースで地域創生を促進
三重県明和町は、AVITAと提携し、「アバター」や「メタバース」などの技術を活用した新規事業開発を推進しています。このプロジェクトは、地域の魅力を発信することを目的としています。
具体的には、斎宮や斎王の歴史を取り入れたアバターの制作や、リモート接客による特産品のPR・販売を行っています。さらに、持続可能なまちづくりを目指し、SDGs実現のための活動も展開しています。
この取り組みは、メタバースを活用して地域の魅力を広く発信し、地域経済の活性化と持続可能なまちづくりを目指すものです。新たな事業モデルを構築し、地域の発展に貢献しています。
⑳山口県宇部市:自然教育メタバースプラットフォームの実証実験
山口県宇部市は、株式会社イマクリエと協力し、自然教育メタバースプラットフォームの実証実験を実施しています。この取り組みは、自然教育を推進することを目的としています。
このプロジェクトでは、「ときわミュージアム 世界を旅する植物館」を題材に、アバターとして散策できるメタバース空間を構築しています。また、eラーニングコンテンツやハイブリッドイベントも予定されています。
メタバースを通じて遠隔地からも利用可能な教育環境を提供し、地域資源の活用と教育の充実を図ることを目指しています。自然教育の新しい形を提案し、地域の魅力を広く発信しています。
㉑新潟県山古志:メタバースとNFTを活用した地域おこし
新潟県山古志地域は、過疎化対策としてメタバースとNFTを活用したプロジェクトを展開し、地域の魅力を発信しています。
このプロジェクトでは、仮想山古志を作成し、錦鯉を題材にしたNFT「Nishikigoi NFT」を発行しています。NFT保有者はデジタル住民となり、メタバース上での交流を楽しむことができます。
この取り組みの目的は、メタバースとNFTを活用して地域の魅力を広く発信し、過疎化対策と地域経済の活性化を図ることです。住民同士の交流を促進し、観光客の増加を目指しています。
㉒長崎県西海市:メタバースを学べるアカデミーを開講
長崎県西海市は、株式会社西海クリエイティブカンパニーと提携し、「西海メタバースアカデミー」を開講しました。このアカデミーでは、Web3.0やメタバースに関する知識を提供しています。
プログラムは2ヶ月間にわたり全8講座が予定されており、体験とディスカッションを中心に構成されています。参加者には特別なNFTが発行され、コミュニティへの参加も可能です。
この取り組みは、地域の人々に新たな働き方を提案し、Web3.0やメタバースに関する知識を提供することで、人材の育成と地域の発展を目指しています。
㉓広島県三原市:メタカープを活用した地域おこし
広島県三原市は、ふるさと納税などの情報発信にメタバース空間「メタカープ」を活用しています。このプロジェクトは、広島東洋カープの試合を観戦できるアプリと連携して行われています。
メタカープ内には露天風ブースが設置され、ユーザーは広島三原プリンの購入やふるさと納税関連のサイトにアクセスすることができます。一般ユーザーは三原市をイメージしたTシャツを着て参加可能です。
この取り組みの目的は、メタバースを活用して地域の魅力を発信し、ふるさと納税の促進と地域経済の活性化を図ることです。広島東洋カープのファンコミュニティを活用し、効果的なPR活動を展開しています。
多くの自治体はWebメタバースを採用
メタバースは、大きく分けてSNSメタバースとWebメタバースの二種類に分けられます。
SNSメタバースの特徴は、既存SNSのようにユーザーが常に発信を続けており、SNSメタバースの利用者がいることです。
一方Webメタバースは、アプリのダウンロードは必要なくブラウザ上でメタバースにアクセスできます。
多くの自治体が、webメタバースを自治体独自のメタバース空間で採用しています。
地方創生にメタバースを活用する際には、Webメタバースのサービスを検討してみてはいかがでしょうか。
Webメタバースをおすすめする理由は、その『アクセスの手軽さ』にあります。
多くの人々がメタバースで体験できるコンテンツに興味を持っていますが、専門のデバイスやアプリのダウンロードが必要になると、体験のハードルが高くなり、どの人にも行政サービスを届けないといけない自治体の基本理念から外れてしまいます。利用するハードルが高いと、せっかく素晴らしいコンテンツを作っても、ユーザーに体験してもらえず、その価値が十分に伝わりません。
上記の理由から地方創生にメタバースを活用する際には、スマホやPCから簡単にアクセスできるWebメタバースサービスが適しています。これにより、多くの人々に気軽にコンテンツを体験してもらい、地域の魅力を効果的に発信することができるでしょう。
Webメタバースサービス2選
最後におすすめのWebメタバースサービス2選について紹介します。
- ①V-air
- ②DOOR
V-air
V-airは、株式会社Urthが提供するメタバースサービスで、様々な大手企業や自治体の地方創生に利用されています。バーチャルオフィスやイベントなど多用途に対応し、特定ニーズに合わせたオーダーメイドのメタバース空間を提供します。
V-airは、建築デザイナーを活用してメタバースを制作することで、製作者のリソース確保を迅速に行います。建築デザイナーがプロジェクトマネージャーの役割も担うため、打ち合わせ時の認識の齟齬が少なく、コミュニケーションコストを低く抑えることができます。
これにより、メタバース空間の要件定義から導入までスムーズな進行が可能です。
さらに、建築デザイナーの専門知識を活かすことで、メタバースならではの自由な表現や要望に合わせた質の高い空間を再現する事も可能です。また、導入後も手厚いカスタマーサポートにより、安定したサービスを提供しています。
V-airの詳細は、以下のページをご覧ください。
DOOR
DOORは、NTTが提供するメタバースサービスであり、個人や企業の利用に広く対応しています。利用者は100万人を超え、バーチャルショップや学校、イベントなど多岐にわたる活用が可能です。サポートも充実しており、利用者が安心してサービスを利用できる環境が整っています。
3D空間のテンプレートを利用して簡単な操作で自分だけのマイルームを制作できます。豊富なバーチャル空間の活用事例があり、セミナーや講演会、地域活性化支援、デジタルミュージアムなど、様々なシーンで利用可能です。
利用料は基本無料で、必要に応じて追加機能やサポートを選択できます。東京ゲームショウVRやANREALAGEのパリコレファッションショーなどのビッグイベントでも活用されています。
DOORの詳細は、以下のページをご覧ください。
まとめ
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。あくまでもメタバースは、地方創生のための一つの手段に過ぎません。地方創生の目的に応じて、メタバースを活用するかどうかを慎重に検討してください。その際、利用者が使いやすいサービスを選ぶことも大事な要素となります。
本記事が、地方創生にメタバースを活用する際の参考になれば幸いです。メタバースが地域に新たな風を吹き込む一助となることを願っています。
更新日:2024年6月12日
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