導入事例 2026.06.10

【メタバースで工場見学/監査対応】技術力アピールと機密保持の両立を現場負担を減らして実現した、ソマールの顧客コミュニケーション

ソマール株式会社(以下、ソマール)は、化学系の商社兼メーカーとして、自動車・半導体・センサー・紙・食品・バイオ材料など幅広い製品の製造・販売を手掛けています。国内外に工場・拠点を持ち、近年はメーカーとしての製造・開発機能を強化しています。

そんな中、お客様や仕入先による工場監査・見学が頻繁に発生しており、とくに海外からの大人数の来客時には、英語対応を含めて現場スタッフの負担(時間的・人的コスト)が非常に大きくなっていました。
また、工場見学には自社の技術力をアピールする必要がある一方で、機密保持の観点からゲストに見せることができない部分もあり、セキュリティ面での考慮も必要です。

「技術力アピールと機密保持の両立」「監査対応時の現場の負担」という課題を、Urthが提供するメタバース空間「metatell(メタテル)」を活用してオンライン上にリアルな自社工場を再現することで解決につなげました。

この挑戦に至る背景や成果、そして今後の展望について、
・代表取締役社長 曽谷様
・常務取締役 牛尾様
・技術開発部 部長 佐々木様
・高機能材料営業部 瀬山様
の4名と、「metatell」導入を支援した株式会社Urthの田中・藤田が語ります。

「見せたいけれど、見せたくない」―工場が抱えるセキュリティのジレンマと対応工数の限界

(代表取締役社長 曽谷様)

田中:まずは、今回メタバースを導入される前に、どのような課題を感じていらっしゃったのか教えていただけますか?

曽谷:弊社は化学系の商社兼メーカーとして、国内外の多種多様なお客様や仕入先様とお取引をさせていただいています。その中で、商品をご採用いただく際の「工場監査」や「工場見学」は、避けては通れない非常に重要なプロセスです。
どのような環境で製造されているのか、品質管理に問題がないかなどを直接ご確認いただくことは信頼の基盤になりますが、一方で、この監査対応にかかる現場の負担が常態化していたことが大きな課題でした。

特に海外のお客様の場合、遠方から大人数で来社されることも多く、英語でのアテンドも含め、現場にのしかかる対応工数は膨大なものになっていました。

藤田:物理的な案内だけでも、かなりの時間がかかりそうですね。

牛尾:そうなんです。弊社の工場は非常に広大ですので、調達から在庫管理、製造ラインまで、すべてを歩いて回るとなると動線が非常に長くなります。「特定の重要スポットだけを効率的に、パッとご覧いただきたい」という思いがあっても、物理的な移動を伴う以上、なかなか柔軟な対応が難しいのが実情でした。

田中:セキュリティ面、特に技術流出のリスクについても強い懸念があったと伺いました。

牛尾:そこは非常に深刻な悩みでした。工場見学をきっかけに、意図せず自社の機密情報が流出してしまうリスクは決してゼロではありません。
会社としては継続的に警戒を強めなければなりませんが、営業活動においては「自社の技術力」を最大限にアピールし、納得感を持っていただく必要があります。「技術を見せたい。けれど、機密は隠したい」という、相反するジレンマに陥ってしまっていたんです。

「これなら使える」と直感したクオリティ。決断の後押しは、現場の「まずはやってみよう」という意志

(常務取締役 牛尾様)

田中:メタバースの導入以前に何か対策などはされていたのでしょうか?

曽谷:いえ、「改善していきたい」という気持ちもありましたし、全社でDXを推進しなければいけないとも思っていましたが、具体的な対応はこれからという状況でした。

田中:様々な選択肢がある中で、なぜ弊社の「metatell」を選んでいただけたのでしょうか?

曽谷:きっかけは、展示会でUrthさんのブースを訪問したことでした。それまで私が抱いていたメタバースのイメージとは異なり、非常に細部までこだわって美しく作られていたんです。「これなら自社の監査にも使える」と直感したのを覚えています。

牛尾:立体空間として工場を綺麗に再現できるだけでなく、実際の対面見学では物理的に不可能な、内部の構造を「透かして見せる」といったメタバースならではの表現ができる点も、非常に利便性が高いと感じましたね。

田中:実際にお客様へ営業活動をされている佐々木様は、最初にお話を聞いたとき、どのように感じられましたか?

佐々木:最初は私自身、具体的なイメージを持ちきれていない部分もありました。しかし話を聞くうちに、「採用活動でも使えそうだ」「工場見学を希望されているお客様へのご案内にぴったりだ」と、どんどん活用イメージが膨らんできたんです。

工場見学を動画でお見せすることもありますが、機械の音がうるさくて説明が聞き取れなかったり、逆に見せたくない原料エリアで「もっと細かく見せてほしい」と過度な詮索を受けてしまったりすることがあり、私としても本意ではない場面がありました。メタバース空間であれば、そういったリアルならではの課題をクリアしつつ、見せたい部分を的確に伝えることができます。「これは非常に大きなメリットがある」と感じ、ぜひ作ってみようと前向きになりました。

藤田:導入の決定も非常にスピーディでしたよね。

曽谷:はい。通常、こうした新しいツールの導入は管理部門が主導し、時間をかけて検討することが多いのですが、今回は実際に現場で使う営業と技術のメンバーが「面白いから、まずはやってみよう」と前のめりに動いたのが大きかったですね。

もちろん、社内の関係部門のリード役として連携を取っていくのは、決して楽なことではありません。ただ、私たちが率先して導入して成功事例を作れば、ゆくゆくは他の部署でも活用できるのではないかという期待がありました。だからこそ、まずは自分たちで強い意志を持ってプロジェクトを推進することに決めました。

「ソマールらしさ」の表現と使いやすさを徹底したリアルな工場の再現

(技術開発部 部長 佐々木様)

藤田:キックオフから約3ヶ月間の制作期間でしたが、社内での合意形成や連携はどのような体制で進められたのでしょうか?

佐々木:基本的には私がハブとなり、関係各所に「こういう方向性で進めたい」と説明と確認を繰り返しながら進めました。ただ、当時は社内でもメタバース空間に対する理解がまだ浅く、私自身だけで決めるのは難しい部分もありました。そこで、若い世代の社員たちに「どんな空間が良いと思う?」とヒアリングを行い、彼らの柔軟な意見を取り入れながら関係部署へ提案していくという形をとりました。

藤田:全体を通して、空間づくりで特にこだわったポイントはどこでしょうか?

佐々木:一番は「ギャップ」です。エントランスは弊社の「らしさ」を表現した空間にしつつ、そこから工場へワープした瞬間に、いきなりリアルな現場が広がるような構成にこだわりました。工場空間は疑似見学や監査で使うため、徹底してリアリティを追求しましたね。

藤田:ユーザー目線での細かなUI(操作性)の調整も印象的でした。

佐々木:はい。例えば、工場全体を上から見渡す機能を、当初は「俯瞰モード」や「鳥瞰」と呼んでいましたが、それだと初めて使う人には伝わりにくい。そこで、直感的に分かりやすい「ツアーモード」というボタン名に変更してもらいました。初めて使う人が文字を見ただけでイメージでき、迷わず操作できる「優しさ」を持たせることには強くこだわりました。

藤田:最後に、エントランス空間のデザインについてもお聞かせください。多種多様な事業を展開されている御社を一つの空間で表現するのは難しかったのではないでしょうか?

佐々木:弊社は本当に幅広い事業を手掛けているので、綺麗にスッキリまとめすぎるよりも、「あっちを見ても、こっちを見ても色々な事業がある」という少し雑多な面白さこそが、ソマールの社風だと考えました。化学系メーカーならではのベンゼン環や蜂の巣のモチーフを掛け合わせながら、あえて整理しすぎず、ソマールらしいエネルギーが伝わる空間になったと感じています。

「こんなにリアルでいいのか」顧客案内を効率化し、グローバル連携やレイアウト改善へと波及

(高機能材料営業部 瀬山様)

藤田:実際に導入してみて、社内やお客様からの反応はいかがでしたか?

佐々木:工場の現場スタッフからは「こんなにリアルに再現していいのか」と驚かれました(笑)。

瀬山:本当にリアルに仕上がりましたね。これまでの営業活動では、パンフレットや紙の資料でしか工場の魅力を説明できず歯がゆい思いをしていましたが、これならより多くのお客様に「これが私たちの工場です」と自信を持って伝えられます。非常に良かったです。

牛尾:物理的に工場内を歩き回っていただく必要がなくなり、まるでドローンで撮影したかのような視点でご案内できるのが助かっています。普段のリアルな見学では不可能な「俯瞰した視点」で工場全体を見渡せることで、逆に「ここの配置をこう改善すれば、工場がもっと良くなるのではないか」といった、我々自身の業務改善に繋がる示唆まで得られたのは驚きでした。

田中:具体的に、どのようなシーンで活用されているのでしょうか?

佐々木:アメリカや中国といった海外拠点とのコミュニケーションです。これまでは平面の図面で情報を共有していましたが、工場の細かい仕様や動線の違いがどうしても伝わりきりませんでした。それが、メタバースを通じて「立体」で見せることで、「これはわかりやすい!」と一瞬で理解してもらえるようになったんです。

佐々木:さらに、設備の増築やレイアウト変更の打ち合わせでも重宝しています。平面図の確認だけでは見落としがちな「機械と機械の間の通路が狭くて清掃しにくい」といった物理的な問題も、メタバース空間を実際に歩いてみることで事前に発見できるからです。
その圧倒的なわかりやすさから、今では海外の拠点からも「自分たちの工場のメタバースも作ってほしい」と制作リクエストが来ている状態です。

グローバル発信・採用活動から次世代のスマートファクトリーへ

藤田:今後のメタバースの活用について、どのような展望をお持ちですか?

佐々木:まずは、人事部と連携した採用活動への展開ですね。求職者の方に工場の雰囲気をリアルに感じてもらいたい。また、海外拠点のホームページからも直接アクセスできるようにして、グローバルな発信力を強化したいと考えています。

田中:御社の今後のビジョンと絡めると、どのような展開が考えられますか?

曽谷:弊社は自動車や半導体、センサーなど多岐にわたる分野を手掛けており、まずはこれらの事業をさらに成長させていくことが基本にあります。それと同時に、今回のメタバース導入のような「DX」や「IT」の力を積極的に活用することで、より高度な研究開発に結びつけたり、工場の稼働を効率化するためのモニタリングを行ったりと、新たな価値を生み出していきたいと考えています。

田中:メタバースが、さらに高度な役割を担っていくのですね。

曽谷:ええ。単に完成した空間を「見せる」だけでなく、将来的には、工場内で働く人の動きをライブで連動させたり、設備に異常が発生した際にポップアップでアラームを出したりといった、リアルタイムな情報と紐づいた活用も視野に入れています。このメタバースをひとつの入り口として、次世代の「スマートファクトリー化」へとつなげ、弊社のDXをさらに加速させていきたいですね。

企業情報

会社名 ソマール株式会社
所在地(本社) 〒104-0061 東京都中央区銀座4−11−2
設立 1948年2月
従業員数 308名[連結464名] ※2026年3月末現在
事業内容 1.高機能材料事業
2.環境材料事業
3.食品材料事業
4.その他の事業
WEBサイト https://www.somar.co.jp/

メタテルで理想のメタバースを構築しよう!

新しいオンラインコミュニケーションツールであるメタバースをご活用企業様の思い通りに、UI、空間、機能をカスタマイズできるシステムです。マーケティング、採用でのメタバース活用に最適なツールとなっています。

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