最近ではNFTがブームになってきているため、NFTを作成しようとして見る人もいると思います。その際にNFTを「Mint(ミント)」するという言葉を目にしたかと思います。このNFTを「Mint(ミント)」するというのはスマートコントラクトを使って、NFTを新たに作成・発行することを言います。つまりほぼNFTを作成することと同義語です。元々Mintは「鋳造(Minting)」という意味なので、「NFTマーケットプレイスでNFTを作成すること」と捉えると分かりやすいです。実際にOpenseaなどの事例を通しながらどのようにNFTをMintすることができるのか見ていきましょう。
そもそもNFTアートとは?
NFTとは、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のことです。暗号資産(仮想通貨)と同じく、ブロックチェーン上で発行および取引されます。従来、デジタルデータは容易にコピー・改ざんができるため、現物の宝石や絵画などのような資産価値があるとはみなされませんでした。
この状況を変えたのがブロックチェーンです。ブロックチェーン上のデジタルデータは、参加者相互の検証が入ることでコピーや改ざんをしにくくし、デジタルデータの資産価値を持たせられるようになりました。ビットコインが数百万円でやり取りできるのは、この仕組みのおかげです。
これまでも、デジタルデータに電子透かしを入れるなどの方法はありましたが、コピーや改ざんを直接防ぐ技術はこれまでありませんでした。デジタルデータに唯一無二の価値を持たせることを可能にしたのがNFTなのです。
NFTの出現に期待できる分野は多いです。デジタルアートはもちろん、ゲームやマンガ、デジタルジャケットの限定版などは利用が期待できます。
そしてNFTアートとはその中でもデジタルアートをNFTによって唯一性を証明したり、所有者の記録を改ざん不可能にしたりしたものです。
実際のNFTアートの販売事例としてはアメリカのデジタルアーティストBeeple氏の「Everydays – The First 5000 Days」です。この作品は2021年2月25日に大手アートオークション企業クリスティーズ社より出品されると、多くの入札者によって駆け引きがおこなわれ、最終的に約75億円で落札されましたこれは史上最高額で取引されたNFTアートです。
NFTを作成できるマーケットプレイス3選
Opensea
OpenSea(オープンシ―)は、2017年12月にイーサリアムを基盤にしてつくられた世界最大手のNFTマーケットプレイスです。21年8月にはイーサリアム上の月間取引高が約34億ドルを記録しました。OpenSeaはイーサリアムを基盤につくれていますが、それ以外にもPolygon、Klaytn、テゾスのネットワークにも対応しています。
それらのネットワークを利用すれば、イーサリアムが抱えるスケーラビリティ問題(ユーザー過多による処理遅延や手数料高騰)を回避し、ガス代(ネットワーク手数料)を抑えることができるようになっています。
Rarible
Rarible(ラリブル)は2020年にアメリカのRarible社がサービスを開始したNFTマーケットプレイスで、比較的新しいプラットフォームながらOpenSeaに迫る人気を博しています。
またRaribleは、現在はRarible社が運営しているものの、将来的にはユーザー同士ですべての意思決定ができるプラットフォーム(DAO)となることを目指しています。RaribleではDAOを目指す取り組みの一環として、RARIという独自のガバナンストークンを発行しています。独自トークンのRARIは、総発行枚数の60%分がRaribleユーザーへのインセンティブとして配布されていくことが決まっています。
具体的には毎週75,000RARIが、過去1週間にRaribleでNFTを売買したユーザーに対して分配されます。
SuperRare
SuperRare(スーパーレア)は、アメリカのSuperRare社が運営するNFTマーケットプレイスです。
その名を体現するようにSuperRareは、審査をクリアした一部のトップクリエイターしか出品することができず、総じて作品のクオリティが高く、投資価値のあるものばかりが揃っています。
ただ自ずと販売価格も比較的高額になっているので、購入者側にとっても利用のハードルはやや高めです。一次販売は限られたクリエイターのみにしか許されていませんが、多くのNFTマーケットプレイスがそうであるように、SuperRareでも購入したアート作品をユーザー同士で取引(二次販売)することができます。
また、他のNFTマーケットプレイスに持ち出して出品することも可能です。
openseaにおけるNFTの作り方
今回は最もメジャーなNFTマーケットプレイスであるOpenseaにおけるNFT作成方法についてみていきながらNFTの作成方法を学んでいきましょう。
1.NFTアートにするデジタルデータの用意
基本的にどのようなデジタルデータでもNFTを作成できるが、MintするNFTがオリジナルではなく著作権があるコンテンツをMintした場合はもちろん著作権侵害になります。注意しましょう。
2.ウォレットと接続
OpenSeaはあくまでマーケットプレイスであり、秘密鍵やNFTデータの保管は行いません。そのため、取引や管理データをブロックチェーン上に記録するために外部の仮想通貨の財布のようなウォレットを使用します。初めての方はMetamaskなどを使用するとよいでしょう。MetamaskはGoogle Chromeなどのブラウザの拡張機能として利用できます。MetaMask公式サイトからダウンロードして、パスワードは誰にも教えず、忘れないようにしましょう。
また、法定通貨やクレジットカードは使用できず、購入や手数料の支払いのためには仮想通貨の保有が必要です。
3.Openseaにログイン
OpenSeaのサイト(opensea.io)へアクセスし画面の指示に従ってアカウント作成をして、WEBウォレットとOpenSeaを接続します。OpenSeaのサイトに入り、画面右上のプロフィールアイコンをクリックすると「WEBウォレットに接続する必要がある」という指示が表示されるため、事前準備したウォレットを選択してください。画面の指示に従って進めれば、数分とかからずWEBウォレットとOpenSeaが接続されます。
4.マーケットプレイスで出品するNFTアートの販売条件を入力
OpenSeaでNFT作成ページに移動し、デジタルコンテンツのデータをアップロードしてタイトルや説明といった情報の追加、NFTを作成するブロックチェーンを選択してください。
カスタマイズが済んだら、最後に「作成」をクリックすると接続したWEBウォレットのウインドウが開き、署名を求められるので画面の指示に従って署名しましょう。
これで、アップロードしたコンテンツのNFT化は完了です。この際、NFTのMintは無料です。
この工程はアカウントを持つユーザーなら無料で行え、作成したNFTコンテンツはコレクションやプロフィールページから閲覧できます。
5.出品するNFTアートをマーケットプレイスにアップロード
この画面では出品方法や、出品するときの価格設定になります。
「Price」では販売する仮想通貨と、その金額を設定しましょう。
ここまで完了したら、画面下の「Complete Listing」をクリックします。
すると自動でMetaMaskが起動します。これはOpenSeaでは最初の出品時のみガス代が発生するためです。OpenSeaは、出品の際に販売手数料(2.5%)が発生します。
すると自動で出品手続きがはじまります。何度かMetaMaskが起動するので「署名」をクリックします。
以上でOpenSeaでの出品は完了です。
NFT作成の際の注意点
法整備
NFTアートは、仮想通貨と同じようにサービスが開始されてから間もないため、国内外で法整備が追いついていません。
その中でも特に問題になっているのは「贋作」です。
NFTアートは、ブロックチェーン技術を活用することでデジタルアートに「唯一性」を持たすことができます。
これを悪用し、他人の著作物を自分のものとして出品する事例が後をたたないのです。
この著作権まわりの「グレーゾーン」は法整備の進行に応じて解消されるはずですが、まだまだ不安要素ではありますね。
相互互換性の有無
ブロックチェーンには、それぞれのNFTトークン規格と、対応するウォレットサービス、マーケットプレースがあります。例えば、バイナンス・スマート・チェーンでNFTを作るとしたら、バイナンス・スマート・チェーンに対応したプラットフォームでのみ販売することが可能になります。
つまり、フローのブロックチェーンベースのマーケットプレースであるVIV3や、イーサリアムベースのNFTマーケットプレース「オープンシー(OpenSea)」のような場所ではそのNFTを販売できないということになります。
ガス代
2022年現在、ほとんどのNFTアートはイーサリアムブロックチェーンを利用して作られています。
容易にNFTアートを作成できるという点がイーサリアムの良さですが、「ガス代」が発生してしまうというデメリットも存在しています。
「ガス代」とは、イーサリアムが採用している「スマートコントラクト」という契約をおこなう際に発生する手数料のことです。
ガス代はユーザーの通信量に応じて高額になっていくため、NFT市場が拡大していくとアーティストや投資家にとっては不利な状況になってしまいます。
価格変動性
NFTマーケットプレイスでは、イーサリアムなどの仮想通貨を用いて取引がなされます。
そのため、決済通貨の日々の価格変動による影響をダイレクトに受けることになります。
同じ価格のNFTを買うにしても、日本円で決済通貨を購入するタイミングやNFTを購入するタイミング次第で、必要な日本円の量が大きく変わってきます。
したがってより安くNFTを購入したいなら、イーサリアムなどの価格変動を定期的にチェックしておく必要があるでしょう。
まとめ
今回は最も大きなNFTマーケットプレイスであるOpensaの中でNFTアートを作成する手順を見ていくことでNFTアートの作成方法についてみてきました。方法について最も理解する方法は実際に手を動かして自分で作業することです。OpenseaであればMintまでは無料でできるため、一度自分で試しに作成してみてはいかがでしょうか。
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