メタバース記事 2025.02.21

バーチャル採用のすべて!バーチャル採用コンテンツの活用事例と導入ポイント

「オンライン採用はもう当たり前。では、その先にある“バーチャル採用”をご存じですか?

VRやメタバース、デジタルツインなど最先端のデジタル技術を駆使することで、地理的制約を超えた効率的な採用活動を実現できるうえ、遠隔地の求職者にも実際の職場環境や企業文化を“リアルに”感じてもらうことが可能になります。

本記事では、そんなバーチャル採用の基本から活用事例、導入にあたってのポイントまでを一挙にご紹介します。

「より多くの優秀な人材にアピールしたい」「新鮮なインタラクティブ体験で採用ブランディングを強化したい」そんな企業の皆さまは、ぜひ最後までお読みいただき、バーチャル採用を次の戦略として活かすヒントを見つけてください。

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採用活動の新常識!バーチャル採用とは?

近年、テクノロジーの進歩に伴い、採用活動にも大きな変化が訪れています。その代表例のひとつが「バーチャル採用」です。

バーチャル採用とは、企業説明会や面接、職場見学などの採用プロセスをデジタル技術を活用して“仮想空間”や“仮想映像”で行う手法のことを指します。メタバース空間を利用したオフィス見学会をはじめ、VR・AR・MRなどのインタラクティブ型コンテンツ、あるいはYouTube上のバーチャル企業紹介動画といったノンインタラクティブ型のコンテンツまで、その形態は多岐にわたります。

こうした「バーチャル採用」が注目を集める背景としては、新型コロナウイルス感染症拡大以降、オンラインでのコミュニケーションが急速に浸透したことが挙げられます。対面での説明会や面接が難しくなったため、ZoomやTeamsなどのウェブ会議システムを利用したオンライン採用が急増しました。

しかし近年は、単なるオンライン会議ツールを用いた説明会や面接にとどまらず、より魅力的かつ没入感のある「バーチャル空間」による企業体験を提供することで、求職者に自社の強みをアピールしようとする企業が増えています。

バーチャル採用の種類

バーチャル採用の核となる技術としては、大きくインタラクティブ型とノンインタラクティブ型のコンテンツがあります。

インタラクティブ型の例としては、VRヘッドセットを装着して実際のオフィスを360度見回せるコンテンツや、AR(拡張現実)を通じて製品の内部構造を可視化しながら職種説明ができるコンテンツ、MR(複合現実)で仮想と現実を重ね合わせ、作業現場を擬似体験できるものなどが代表的です。また、メタバース空間を利用した「アバター同士のリアルタイムコミュニケーション」や、オープンワールドゲームのマップを改変して仮想の企業拠点を構築し、ゲーム内での採用イベントを開催するといった、ユニークな取り組みも行われています。

一方、ノンインタラクティブ型の事例としては、企業の紹介動画をバーチャル背景で作り込み、YouTubeやSNSで公開するといった方法が挙げられます。さらに、デジタルツイン技術を活用して実際のオフィスや工場、研究所などをリアルに再現し、オンライン上で随時見学できるようにする手法や、企業が持つ歴史や製品の軌跡をデジタルアーカイブ化し、“バーチャル資料館”として公開するケースも増えています。これらは応募者に企業理解を深めてもらうだけでなく、コーポレートブランディングや新たなファン獲得の手段にもなり得るため、多角的なメリットをもたらします。

このようにバーチャル採用は、コロナ禍をきっかけに急速に普及したオンライン採用をより一歩進め、求職者に対して「没入感」や「インタラクション」、「興味喚起」をより強く与えられるのが特徴です。採用市場が激化する中、対面のみではカバーしきれない遠方の人材との接点を作り出し、また企業の魅力をわかりやすく、かつインパクトのある形で伝えられる点が、多くの企業から注目を集める要因と言えます。

Urthのmetatell(メタテル)ではインタラクティブ型のバーチャル採用を実際に導入できるメタバース空間をご提供しております。メタバース採用にご興味がある方はお気軽にご相談ください。⇒メタバース採用の導入企業事例集の無料ダウンロードはこちら

バーチャル採用のメリットとは?導入前に知っておくべきポイント

バーチャル採用には、従来の採用活動にはない独自のメリットが多数存在します。

1. 地理的制約を超えた採用活動が可能

対面形式の説明会や面接では、会場やオフィスまで足を運ぶ必要があり、遠方の学生や社会人にとっては大きな負担になります。しかし、VRやメタバース、バーチャル映像などを活用すれば、距離に関係なく参加が可能です。これにより、企業は全国・海外からの優秀な人材にアプローチしやすくなり、求職者側も移動コストを節約できます。

2. 採用プロセスの効率化とコスト削減

バーチャル採用の導入は採用活動の効率化にも寄与します。オンライン上で説明会や面接を行うだけでなく、事前に準備したバーチャル動画やデジタルツインのオフィスツアーを公開しておくことで、求職者は自分の都合の良いタイミングで企業を“見学”できます。企業側も、説明会のたびに担当者を配置する必要がなくなるため、人件費や会場費などの削減につながります。また、VR面接などを導入すれば、一度に複数人と面接を行うことも容易になり、スケジュール調整の柔軟性が高まります。

3. リアルな職場体験の提供

VRやデジタルツイン技術を活用することで、応募者に実際の業務をリアルに体験してもらうことができます。例えば、VRを用いたバーチャルオフィスツアーでは、求職者が実際に職場を訪れなくても、リアルな職場環境や雰囲気を体感できます。これにより、入社後のミスマッチを防ぎ、定着率の向上が期待できます。

4. 若手求職者の関心をひきやすい

Z世代を中心に、デジタルコンテンツに慣れ親しんでいる若者が増えています。メタバースやオープンワールドゲームを活用した採用コンテンツは、彼らの興味を引きやすく、企業の魅力を効果的に伝える手段となります。

5. ブランディングの強化

最先端技術を取り入れることで、企業のイノベーティブな姿勢をアピールでき、他社との差別化に繋げることができます。例えば、インタラクティブなVRコンテンツを活用して工場見学や研究施設見学を実施したり、AR技術で製品の仕組みを可視化しながら説明したりすることで、テキストや静止画だけでは伝わりづらい企業文化や技術力をダイナミックに体験してもらうことができます。バーチャル空間上でアバターを介してコミュニケーションができるメタバースを活用すれば、企業ロゴやマスコットキャラクターを活かした演出も自由度が高く、独自の世界観を提供することで他社との差別化が可能です。

バーチャル採用のメリットを引き出す3つのポイント

ただし、メリットを最大化するためには導入前に知っておくべきポイントも存在します。

1つ目は、機材・環境整備に関するコストや技術的ハードルです。VRやAR、MRなどのインタラクティブコンテンツを導入する場合には、高性能のハードウェアや専門的なソフトウェアが必要になります。さらに、視聴側の応募者が同様の環境を用意できるかどうかの確認も必要です。

2つ目は、コンテンツの質や演出効果も重要です。バーチャル空間を用意しても、「ただ見せるだけ」ではその真価を発揮できません。インタラクションを取り入れ、応募者が“参加したくなる”仕掛けを設計することが求められます。

3つ目は、情報セキュリティの観点も見落とせません。オンライン上で企業の内部を公開することで、機密情報が漏れたり、不正アクセスを受けたりするリスクが増える可能性もあります。実際のオフィスをデジタルツインで完全再現する場合は、公開範囲をしっかりと設計し、重要箇所は伏せるなどの対策が必要です。

どんな採用コンテンツが作れるのか?

バーチャル採用の導入を検討するうえで、「具体的にどのようなコンテンツを作ればよいのか」という疑問は多くの担当者が抱えるところです。実際には、インタラクティブ型とノンインタラクティブ型の両軸で多様なコンテンツが考案されており、企業の目的や予算、ターゲット層にあわせてカスタマイズが可能です。ここでは、いくつかの具体例を挙げながら紹介します。

1. VR企業見学コンテンツ

VRヘッドセットを装着して360度バーチャル空間を歩き回ることで、実際に企業のオフィスや工場を見学しているかのような体験ができます。たとえば、GMOペパボ株式会社はVR技術を活用してバーチャルオフィスツアーをオンラインで提供しており、内定者はリモート環境からでもオフィス内部を詳しく確認できます。このように高い没入感を得られるVRコンテンツは、現場の雰囲気を重視する採用に特に向いています。

(引用元:「ペパボへようこそ!オンライン内定者懇親会・歓迎会の様子をお届けします!」https://hr.pepabo.com/report/2020/10/30/4661

2. ARを活用した製品・技術紹介

AR技術によって、スマートフォンやタブレット越しに製品の内部構造をリアルタイムで表示したり、実物大のモックアップを閲覧したりできます。たとえば、自動車メーカーが自社エンジンを分解表示して説明するARコンテンツを使えば、エンジニア志望の学生に「見て、触って、理解できる」環境を提供できるでしょう。機械や電子部品など、実際に手に取りづらい領域の説明に有効です。

3. メタバース空間を使った採用イベント

アバターを用いて仮想空間上のブースを回る「バーチャル合同説明会」や、企業オリジナルのメタバースワールドで実施される懇親会などがこれに当たります。株式会社HIKKYが運営する「Vket Cloud」などのプラットフォームでは、企業が専用ブースを設けてリアルタイムで説明会を行うことが可能です。遠方の求職者や海外在住の学生を含め、幅広い層にアピールできる点が強みです。(引用元:HIKKY公式サイト https://www.hikky.co.jp/)

また、GMOペパボ株式会社ではメタバースを使用した採用面談を実施しています。参加者は普段からメタバースを活用している人が多く、慣れ親しんだ環境での面談に話しやすさを感じており、対面の面談よりもよりフランクに会話をすることができます。さらに、VRや配信カルチャーを推進している同社にとっては、情報感度の高い人に選考へ進んでもらえるため、企業側としてもミスマッチのない採用を行うことができ、互いにメリットの多い採用方法といえるでしょう。(引用元:FNNプライムオンライン:https://www.fnn.jp/articles/-/829953

4. オープンワールドゲームを活用した採用企画

近年では、マインクラフトやロブロックスなどのオープンワールドゲームを改造し、企業の施設を再現して見学させる事例も増えています。キャラクターを動かしながら仕事体験をすることで、遊びながら企業文化に触れられるため、若年層を中心に好評を博しています。特にIT企業やエンタメ関連の企業では、こうしたゲームコラボレーション型の採用が注目を集めています。たとえば、マイクロソフト株式会社は採用プロセスの一つとしてマインクラフトを導入し、バーチャル空間の中で候補者に課題を与えてグループで取り組ませることで、個人の問題解決力やコミュニケーション能力を見極めることが可能になりました。(引用元:NTT東日本「他人には聞けないICTの“いま”(第57回)Z世代の心をつかむ「メタバース採用」とは」https://business.ntt-east.co.jp/bizdrive/column/post_77.html

5. ノンインタラクティブなバーチャル映像・デジタルツインの活用

インタラクションがなくても、質の高い映像コンテンツを制作し、YouTubeなどで公開するだけでも効果は高いとされています。最近では、実際のオフィスをデジタルツインで完全再現し、webブラウザ上で自由に“歩き回れる”動画コンテンツを提供する企業もあります。

6. デジタルアーカイブを使った企業の歴史紹介

企業の創業時からの製品や業績、歴史的資料などをデジタルアーカイブとしてまとめ、バーチャル資料館として公開する手法も注目されています。これは単に資料の保管・公開手段としてだけでなく、企業のDNAや文化を深く理解してもらう場として機能します。

以上のように、バーチャル採用で作れるコンテンツは非常に幅広く、企業が伝えたいメッセージや求める人材像に合わせて無限にアイデアを広げることができます。大切なのは、単に「新しい技術を使う」だけでなく、求職者にとって有益で、かつ企業の魅力や強みを余すところなく伝えられる構成を検討することです。

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バーチャル採用の導入手順と成功のためのポイント

バーチャル採用を実際に導入するにあたっては、以下のようなステップを踏むのが一般的です。しっかりと段階を追いながら準備と実行を進めることで、失敗を最小限に抑えながら効果を最大化できます。

1. 目的・ゴールの設定

まずは、バーチャル採用を導入する理由と目標を明確化しましょう。例えば「地方や海外からの応募者を増やしたい」「ITリテラシーの高い学生にアピールしたい」「企業の技術力をインタラクティブに見せたい」など、目的によって必要なコンテンツやツール、プラットフォームが変わります。ゴールが不明確だと、導入後に“結局何をしたかったのか”が曖昧になり、投資対効果を測ることが困難になります。

2. コンテンツの企画とプラットフォーム選定

次に、具体的にどのようなバーチャルコンテンツを作るか企画します。VRやARなどのインタラクティブ型にするのか、あるいはノンインタラクティブな動画やデジタルツインを中心にするのか、予算や人材を踏まえて検討が必要です。また、コンテンツをどのプラットフォームで公開するかも大切な要素です。メタバース系のイベントプラットフォームや動画共有サイト、企業独自のウェブサイトを使うなど、ターゲット層がアクセスしやすい環境を選びましょう。

3. 制作・開発フェーズ

コンテンツの企画が固まったら、いよいよ制作・開発に移行します。社内で対応できる場合もありますが、VRやARなど専門的スキルが必要な場合は外部ベンダーに委託するケースが多いでしょう。ここでは、ユーザー視点を常に意識しながら、バーチャル空間の動線設計やインターフェース、操作性を丁寧に作り込むことが成功のカギとなります。加えて、動画コンテンツを作成する場合は、台本や演出面も重要です。企業の魅力を短時間で効果的に伝えるシナリオが求められます。

4. テストとフィードバック

コンテンツが完成したら、実際にテスト運用を行い、社員や一部の求職者、あるいはモニターとして協力を仰げる学生などからフィードバックを収集します。操作のしやすさや映像の品質、通信環境への負荷など、問題点を洗い出して改善を繰り返しましょう。バーチャル空間やインタラクティブ機能は、予期せぬバグやトラブルが起こりやすい部分もあるため、入念なテストが欠かせません。

5. 公開・運用と効果測定

本番リリース後は、応募者からの反応やアクセス数、離脱率などのデータを分析し、改善を続けることが重要です。採用活動の成果をどのような指標で測るか(応募者数、内定承諾率、ブランド認知度など)をあらかじめ決め、そのデータを定期的に振り返りましょう。また、更新やイベント開催などを継続的に行うことで、バーチャル採用コンテンツの鮮度を保ち、常に最新の企業情報を発信できます。

成功のためのポイント

  • 社内理解と協力体制の構築: バーチャル採用は新しい試みであるため、社内各部署との連携や上層部の理解が不可欠です。
  • 応募者体験の最適化: コンテンツの面白さだけでなく、応募者がアクセス・利用しやすい環境(デバイス要件や操作ガイドの明示など)を整備しましょう。
  • 柔軟な予算・スケジュール設計: 技術的トラブルや追加要件などが発生しやすいため、一定のバッファを見込んでおくことが大切です。

以上のステップを踏むことで、バーチャル採用の導入をスムーズに進められます。特にテストと運用後の分析を軽視せず、常に改善を続ける姿勢が成功の鍵となるでしょう。

まとめ:バーチャル採用は新時代の採用手法

テクノロジーの進化が企業活動に大きな変化をもたらす中、採用手法も例外ではありません。バーチャル採用は、オンラインを活用した従来のウェブ説明会やウェブ面接の枠を超え、“仮想空間”や“デジタルツイン”を駆使して高い没入感やインタラクティブ性を実現し、応募者との新しい接点を作り出す手法です。

VR・AR・MRなどのインタラクティブコンテンツから、YouTubeで公開するバーチャル企業紹介動画、デジタルアーカイブを活用した企業の歴史展示、さらにはメタバースやオープンワールドゲームのプラットフォームを活用した大規模な採用イベントまで、その選択肢は多様です。企業の業種や規模、採用ターゲットによって最適な方法を選び、また複数のコンテンツを組み合わせることで、より効果的に自社の魅力を発信できます。

以下が本記事で解説した重要なポイントです:

導入前に知っておくべきこと

・導入には初期投資や技術的ノウハウが必要となり、企画段階からしっかりと計画を立てることが成功のカギ。

・社内外の専門家と協力し、段階的にテストと改善を行いながらコンテンツの質を高めていくことが求められる。

・バーチャル採用の価値を最大限に引き出すには、応募者が「リアルとは違う形で企業を体験できる意義」を明確に示すことが重要。

・情報セキュリティ面の対策を万全に。

バーチャル採用の導入手順

  1. 目的・ゴールの設定
  2. コンテンツの企画とプラットフォーム選定
  3. 制作・開発
  4. テスト・フィードバック
  5. 公開・運用と効果測定

成功のためのポイント

・社内理解と協力体制の構築

・応募者体験の最適化

・柔軟な予算・スケジュール設計

コミュニケーションが一般化しつつある今、バーチャル採用は“次の当たり前”になり得る存在です。企業の差別化戦略としてはもちろん、応募者に対する利便性と魅力的な体験提供の両面で、バーチャル採用の可能性はまだまだ広がっています。新時代の採用手法として、ぜひ前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

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