少子化により、学生の減少が問題となっています。そんな中、入学者数を増やす手段としてVRオープンキャンパスを導入している学校が増加しているのはご存じでしょうか?新型コロナウイルス対策としても注目されています。
本記事は、VRオープンキャンパスについてのメリット・デメリットや、導入している大学の事例、活用方法について解説しています。VRの導入を検討している人にとって役立つ記事になっているので、ぜひご覧ください。
VRオープンキャンパスとは
VRオープンキャンパスとは、進学を考えている学生に向けて、学校の特徴や雰囲気を知ってもらうために、オンライン上の仮想現実(以下、VR)で体験してもらうイベントです。
新型コロナウイルスの影響を受けて、オンラインで学校の雰囲気を体験できるVRを導入する学校が増えています。
VRオープンキャンパスの種類には、大きく分けて2種類あります。1つ目は、学校を360度パノラマで撮影し、Googleストリートビューのように写真をベースにしたオープンキャンパス。2つ目は、3DCGで学校を再現し、ゲームの中にいるような感覚で楽しめるオープンキャンパスです。
VRと聞くと、ゴーグルのようなデバイスが必要と思われがちですが、そんなことはありません。そもそもVRとは、オンライン上に現実のような仮想の空間を再現する技術のことを指すので、ゴーグルを使用しなくてもVRは体験できます。
オープンキャンパスにVRを導入するメリット5つ
VRの導入を検討しているなら、どのようなメリットがあるかを把握しておきましょう。ここでは、オープンキャンパスにVRを導入するメリットを5つに分けて紹介していきます。1つずつ詳しく見ていきましょう。
- いつでも学生に見学してもらえる
- 遠方で直接足を運べない学生も参加できる
- オンラインでも学校の雰囲気が伝わる
- 学生からの質問が増える
- 話題性があり、宣伝につながる
いつでも学生に見学してもらえる
従来のように、実際に学校に来てもらっていたオープンキャンパスとVRオープンキャンパスの大きな違いは、VRならいつでも学生に見学してもらえる点です。
従来のオープンキャンパスだと、一定期間のみしか学校を開放できませんでした。また、各学校でオープンキャンパスを開催する期間が重なることから、学生が参加できるオープンキャンパスに制限がありました。
VRを導入すれば、オンライン上でオープンキャンパスが行えるので、学生はいつでも学校を見学できます。VRによって、学生と学校の関わる機会が増えることで、その学校に興味をもつ学生が増え、入学者数の増加にもつながるでしょう。
遠方で直接足を運べない学生も参加できる
地方や遠方からオープンキャンパスに参加する学生は、交通費や宿泊費などの費用が発生します。従来のオープンキャンパスは地方や遠方の学生にとっては、気軽に参加できるイベントではありませんでした。
しかし、VRの場合、遠方の学生は直接足を運ばなくてもよくなります。さらに、学生側は費用をかけなくてよいので、オープンキャンパスに参加するハードルが下がります。1回参加するだけで終わっていたオープンキャンパスもVRを導入すれば、何度も気軽に参加できるので、学校のことをより深く知ってもらえるきっかけになるでしょう。
オンラインでも学校の雰囲気が伝わる
オンライン上で学校を紹介する手段として、公式サイトや動画で学校の授業や施設、その他の特色を紹介するのが一般的でした。これらとVRの大きな違いは、自分で操作できる点です。VRは、自分で見たいところ、行きたい場所を選択し、移動できます。自分で操作することによって、本当にそこにいるような感覚を味わえるだけでなく、学校の雰囲気も感じられるのがVRのメリットです。
写真やテキスト、動画以上にVRは学生に届けられる情報量が多いです。オンラインでありながら、学校のリアルな雰囲気を味わえるのは、学生にとっても魅力的に感じるのではないでしょうか。
学生からの質問が増える
実際に学校へ行くオープンキャンパスでは、学校を紹介するツアーガイドが用意されている場合もあります。複数の学生が同時に参加していると、周りを気にして質問するのをためらってしまう学生も多いでしょう。
VRオープンキャンパスなら、複数人と学校を回る必要はありません。周りの目を気にせずに気になったらすぐに質問できます。学校側はチャットで気軽にメッセージを送れる機能を設置しておくことで、学生からの質問も増えるでしょう。
また、自分がVR上で操作するキャラクター「アバター」を使うことで、ゲーム感覚で気軽に話しかけられます。人に話しかけるハードルが下がるので、学生が積極的に質問できる環境を提供できます。
話題性があり、宣伝につながる
VRオープンキャンパスを導入している学校は、まだ少数派といえるでしょう。だからこそ、このタイミングで導入することで、話題性が生まれ学校の宣伝につながります。
10代の学生にとって学校教育は、伝統的で格式高いイメージを持たれることも少なくありません。そこにVRを導入することによって、新しい技術を積極的に取り入れる学校というイメージが付き、インターネットに慣れ親しんでいる多くの学生に興味を持ってもらえます。
通常オープンキャンパスで学生を集めるには、広告費が発生しますが、VRという話題性によって、広告費に費用を割かなくても学生に認知されやすくなるのもメリットです。
オープンキャンパスにVRを導入するデメリット3つ
オープンキャンパスにVRを導入するにあたって、デメリットも知っておく必要があります。デメリットを事前に把握しておくことで、トラブルを未然に防げるので、運用がスムーズになるでしょう。
ここでは、オープンキャンパスにVRを導入するデメリットを3つ紹介します。
- 導入コストがかかる
- 人間関係が構築しづらい
- 見学できる場所が限られる
導入コストがかかる
1つ目のデメリットは、導入コストが発生することです。VRには大きく分けて2種類あり、写真ベースのVRと、3DCGベースのVRがあると紹介しましたが、それぞれ費用が異なります。
一般的には、写真よりも3DCGのほうが導入コストが高いですが、その分自由度も高くなります。株式会社Urthが提供するVRサービスも、3DCGを採用しています。
3DCGの場合、季節やイベントに合わせて学校の見た目を変更したり、アバターを自由に動かせるので、没入感は3DCGのほうが優秀です。一方写真ベースのVRは、低コスト・短期間で制作できるので、実験的に導入するのに適しています。
初期費用はかかりますが、いつでも学生に参加してもらえる点や、一度作ってしまえばずっと利用できる点を考えると、長期的なコストは抑えられるでしょう。
人間関係が構築しづらい
2つ目のデメリットは、学生同士の人間関係が構築しづらいことです。学校で行われるオープンキャンパスだと、学校によっては参加者同士が交流するイベントや、在学生と話せるブースなどがあります。ここで、人間関係を構築することで、入学を希望する学生を増やせましたが、特に自由度が低い写真ベースのVRでは対応が難しいでしょう。
しかし、3DCGベースのVRであれば、アバターを利用して参加者同士の交流や在学生のリアルな声を聞ける座談会などが開けます。アバターを通じての会話は、直接対面して話すよりもリラックスできます。オフラインのオープンキャンパスよりも、密度の濃い質疑応答が可能です。VRオープンキャンパスで人間関係を構築するなら、アバター同士で会話ができる3DCGベースのVRがおすすめです。
見学できる場所が限られる
3つ目のデメリットは、学校がVR化できる場所には制限があることです。1つ目のデメリットである導入コストが発生することにつながりますが、学校全体をVR化するには莫大なコストが発生します。なので、VRを導入する場合は、コストを抑えるために見学できる場所の制限が必要になります。
VRオープンキャンパスを導入している大学
VRを導入するメリット・デメリットを把握したところで、次は実際にVRオープンキャンパスを導入している大学の事例をみていきましょう。
事例を確認することで、VRオープンキャンパスを導入したイメージが具体的になり、VRを導入する判断の役に立ちます。今回はVRオープンキャンパスを導入した大学4校の紹介と、VRを提供している企業についても触れていきます。
東京大学
東京大学では、3DCGベースのVRオープンキャンパス「バーチャル東大」を導入しています。こちらは東大VRサークル「UT-virtual」の有志メンバーが作成しました。バーチャルSNS「cluster(クラスター)」とWebブラウザ、2つのプラットフォームで利用可能です。
バーチャル東大のような、VRオープンキャンパスはclusterのワールド機能を利用することで作成できます。
早稲田大学
早稲田大学のVRオープンキャンパスは、写真ベースのVRです。Googleストリートビューのように、画面上に表示されている矢印をクリックすると、指定した方向に移動します。大学内を自由に散策するなどの細かい操作はできませんが、360度パノラマになっているので早稲田大学の雰囲気をリアルに味わえます。
新潟医療福祉大学
新潟医療福祉大学のVRオープンキャンパスの大きな特徴は、VR上で在学生や教員にアバターを通じてコミュニケーションが取れることです。3DCGベースのVRはアバターを使用することで、自由に探索できたり、アバター同士で気軽に会話ができます。オンラインでありながら、オフラインと同じような体験ができるのは3DCGならではの特徴といえるでしょう。
新潟医療福祉大学のVRオープンキャンパスの開発に携わった企業は、株式会社Urthです。UrthのVRサービスは、建築家のノウハウを凝縮したVR空間を提供できます。
以下のリンクから、Urthのサービスについて詳しくまとめた資料がダウンロードできるので、せひチェックしてみてください。
電気通信大学
電気通信大学のVRオープンキャンパスは、早稲田大学と同じく360度パノラマ写真ベースのVRを導入しています。電気通信大学で普段は見学できない場所も、VRオープンキャンパスなら見学可能です。
このように、VRオープンキャンパスでしか体験できない特典があると、学生に興味を持ってもらえます。こちらのVRは株式会社リコーが提供するVRサービス「THETA360.biz」が利用されています。
VRオープンキャンパスをうまく活用するには
VRオープンキャンパスがどのようなものか、具体的にイメージできたのではないでしょうか。最後に、VRオープンキャンパスをうまく活用する方法を解説します。
この機会にVRを導入するのであれば、最大限に活用したいはずです。これから紹介する2つのポイントに気をつけることで、VRオープンキャンパスをうまく活用できるようになります。
- 学生が参加するハードルをできるだけ下げる
- 質問がすぐできるようにチャットを用意する
学生が参加するハードルをできるだけ下げる
VRオープンキャンパスの最大のメリットは、学生がいつでもどこでもオープンキャンパスに参加できることです。しかし、VRオープンキャンパスに参加するために、アプリをダウンロードするなど、学生側に手間をかけてしまうと、参加するハードルが上がります。
VRオープンキャンパスに気軽に参加してもらうためには、URLをクリックするだけですぐアクセスできる、VRゴーグルを必要としないでPC・スマートフォン双方からの参加が可能など手間がかからない工夫を取り入れましょう。
質問がすぐできるようにチャットを用意する
オープンキャンパスにおいて重要なのは、参加している学生の疑問や質問に回答することで、学校についてより深く知ってもらうことです。VRで学校の見た目や雰囲気は伝わるかもしれません。しかし、授業内容など細かい部分は直接説明したほうが、学生側も理解しやすいでしょう。
そこで、学生が疑問に思ったことをすぐに質問できるようなチャット機能があれば、学生も気軽に質問できるので、学校についてより深く知ってもらえます。アバターを利用した座談会など、VRならではのイベントを導入するのもおすすめです。
VRオープンキャンパスを導入するなら株式会社Urth
株式会社UrthのVRサービス「V-air」は、PC・スマートフォンに対応し、URLのみでアクセス可能です。専用のアプリをダウンロードする必要はありません。学校の公式サイトにアクセスURLを貼り付けることで、オープンキャンパスに参加するまでの導線が確保しやすいのも魅力です。
さらに、V-airは3DCGベースのVRなので、アバターを利用したコミュニケーションも可能です。学校の見た目を変えたり、VR上でしか行われないイベントを開催できたりと自由度が高く、学校の特徴を前面に押し出したPRもできます。
建築家がデザインするので実際の学校を忠実に再現できるほかに、専門知識を活かしたオリジナルの学校も作成可能です。また、学校側が学生に伝えたい内容を建築技術に基づいて伝えられるので、学生の印象に残りやすいVRオープンキャンパスを提供できます。
V-airについて詳しくまとめた資料は、以下のリンクからダウンロードできるので、ぜひご覧ください。
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