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Ryotaro Konishi
最近ネットでNFTという言葉をよく聞くけどどんな事業に使われているのか知りたい。そんな方たちのために国内と海外から計6個の事業をまとめてみました。NFTを使うことでどのような新しい価値が生み出せるのか既に使われている事例から見てみましょう!
そもそもNFTとは?
NFTとは、「偽造不可な鑑定書・所有証明書付きのデジタルデータ」のこと。暗号資産(仮想通貨)と同じく、ブロックチェーン上で発行および取引されます。従来、デジタルデータは容易にコピー・改ざんができるため、現物の宝石や絵画などのような資産価値があるとはみなされませんでした。
この状況を変えたのがブロックチェーンです。ブロックチェーン上のデジタルデータは、参加者相互の検証が入ることでコピーや改ざんをしにくくし、デジタルデータの資産価値を持たせられるようになりました。ビットコインが数百万円でやり取りできるのは、この仕組みのおかげです。
これまでも、デジタルデータに電子透かしを入れるなどの方法はありましたが、コピーや改ざんを直接防ぐ技術はこれまでありませんでした。デジタルデータに唯一無二の価値を持たせることを可能にしたのがNFTなのです。
NFTの出現に期待できる分野は多いです。デジタルアートはもちろん、ゲームやマンガ、デジタルジャケットの限定版などは利用が期待できます。
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NFTの国内事業2選
事業1:楽天
楽天グループは8月30日、ブロックチェーン技術を活用したNFT(非代替性トークン)事業に国内で参入すると発表しました。2022年春、スポーツ・音楽・アニメなどのエンターテインメント分野におけるNFTの取引を行えるマーケットプレイスと、IPホルダーがNFTの発行・販売サイトを構築できるプラットフォームを併せ持つ「Rakuten NFT」を開始します。
Rakuten NFTでは、ユーザー向けには、エンターテイメント分野のNFTを購入したり個人間で取引したりできるマーケットプレイスを開設。IPホルダー(デジタルコンテンツの知的所有権者)向けには、ブロックチェーンの専門知識がなくてもNFTを発行し、販売サイトを構築できる独自のプラットフォームを設けます。
さらに、楽天が運営する他のサービスにおいて、ユーザーが商品の購入や使用条件を満たすとNFTを景品として獲得できるなど、様々なサービスと連動したプラットフォームとしても活用できるようになる予定です。
楽天は現在のブロックチェーンの複雑な技術や専門用語、乱高下を繰り返す暗号資産市場など、一般ユーザーにとってはかなりハードルが高いものとなっているNFT市場の「民主化」を目指し、楽天IDと法定通貨を利用した簡便な取引の仕組みを導入するようです。これが一つの差別化ポイントとなります。これを実現するために、楽天グループは販売プラットフォームを用意するだけでなく、 楽天のプライべート・ブロックチェーンでサービスを構築することにより、権利者やファンの要望を反映しやすく、 さらに安全で信頼でき安価に利用できることを目指しています。
事業2:Hashpalette
Hashpaletteはブロックチェーン分野のコンサルティングとシステム開発を行う株式会社HashportのNFT分野の子会社です。
株式会社Hashpaletteは、Hashportと合計1,000万MAUのマンガアプリ群を運営する株式会社Link-Uによって2020年3月に共同設立されました。Hashpaletteは、NFT特化ブロックチェーンネットワーク「Palette」の開発をはじめ、NFTによるマンガ・アニメ・スポーツ・音楽といっ
たエンターテイメントコンテンツのグローバル流通のための技術基盤の研究・開発を行っています。
「パレット(Palette)」はマンガ・アニメ・スポーツ・音楽といったエンターテイメントコンテンツのNFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)形式での流通に最適化されたブロックチェーンネットワークです。「パレットトークン(PLT)」は、イーサリアムブロックチェーン上で発行されますが、パレットエコシステムにおけるコンセンサスノード運営報酬の支払い、スマートコントラクトの発行手数料(GAS)の支払い、NFT売買の決済などの用途で使用されます。
「パレット」及び「パレットトークン」の詳細情報については、以下のホワイトペーパーをご確認ください。Palette White Paper:https://document.hashpalette.com/HashpalettePaper.pdf
NFTの海外事業4選
事業1:Axie Infinity
【参照】https://bittimes.net/news/95062.html
AxieはNFTコレクタブルのCryptokittiesの直後の2017年末に作られた、ポケモンとCryptoKittiesを混ぜ合わせたゲームとして考えられました。
ユーザーはゲーム内のモンスター(Axie)をNFTとして購入して、お互いバトル出来るようになっています。Aixeでバトルするとポイント・トークンをもらって、それをリアル通貨に変換できるので、ゲームを遊ぶと稼げる仕組みを作っているいわゆるPlay-to-Earnモデルをとっています。
この時NFTを利用することで、お金を稼げる仕組みが開発者ではなく、プレイヤーたちが作る経済圏によって生むことができています。これが従来のPlay-to-Earnモデルのゲームと異なる点です。
事業2:Loot
この新しいプロジェクトはLootという名前で、ランダムの組み合わせたアドベンチャーギア・アイテムを鋳造できるプロジェクトです。一見アバタープロジェクトと同じように聞こえますが、Lootは全8,000個の袋を無償で鋳造できるのと、写真ではなく以下のようなシンプルなアイテムのテキストが表示されます。
このアイテムの情報をもとにコミュニティのクリエーターは自由にLootの世界を構築することができるというものです。
コミュニティが作るゲームやIPは今まで存在しましたが、それをNFTを活用することでより分散化されたプロジェクトを作れます。
【参照】https://jp.techcrunch.com/2021/09/26/2021-09-03-loot-games-the-crypto-world/
事業3:RTFKT
RTFKTは今までNFT化されたデジタルスニーカーを作って、デジタル空間上ではけるようにしたり、そしてそのデジタルスニーカーのNFTを活用してフィジカルのスニーカーを購入できる取り組みも行なうなど、NFTを用いたファッションに取り組んでいます。
最近はメタバース上でのアバターを開発しようとしているReady Player Meともコラボして、誰でもアバターを作る際にRTFKTのMetajacketを着れるようになっています。しかもこのReady Player Meアバターがデジタルだけではなく、フィジカルな世界にも出現できるようになっています。実際にRTFKTはSnapchatのARメガネのSpectaclesでこれを検証し始めています。つまりデジタルファッションをARメガネやARコンタクトレンズなどで見れるようにしているのです。
これらの取り組みはSnapchatなどが描く世界の「ミラーワールド」、Facebooktなどが描く世界の「メタバース」などに繋がってきます。
事業4:Louis Vuitton
Louis Vuitton(ルイ・ヴィトン)は2021年8月4日に、創業者ルイの生誕200年を記念したプロジェクト「LOUIS 200」の一環として、ブロックチェーン技術を活用したゲームアプリ「LOUIS THE GAME」をリリースしました。
【参照】https://bittimes.net/news/112087.html
「LOUIS THE GAME」はiOS・Android端末向けに提供されている無料のゲームアプリであり、プレイヤーはメゾンのマスコットとして愛される「ヴィヴィエンヌ」として、時を超えて存在する6つの架空の世界を舞台にアクション満載の冒険を楽しむことができるようになっています。
プレイしてNFT作品を集めることも可能です。なお、この30作品のNFTのうちの10作品はデジタルアート界にセンセーションを巻き起こすアーティスト「BEEPLE」によって制作されています。BEEPLEが手がけたNFTアート作品は過去に75億円で落札されています。
Louis vuittonのこれらの取り組みは現在流行しているNFTの名前を使った広告事業と考えられます。
まとめ
今回は国内と海外両方のNFT事業をまとめてみました。事業の中にNFTを用いる目的として多く見られたのはより分散化された社会を目指している傾向でした。これは企業を中心とした経済圏を作ろうとしている既存の事業と反対の方向に進んでいるように思われます。だからこそNFTやブロックチェーンを使った事業は既存の事業を超えるチャンスなのではないでしょうか。
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