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メタバースで中途採用|効く場面と効かない場面を正直に解説

メタバースで中途採用|効く場面と効かない場面を正直に解説

「メタバースは中途採用に使えるのか、それとも新卒向けの施策なのか」と迷っていないでしょうか。結論から言うと、メタバースは中途採用のあらゆる場面で効果を発揮するわけではありません。転職潜在層との接点づくりや、拠点が遠い候補者への職場紹介、技術職の職場体験といった場面では効果が期待できますが、選考そのものや条件交渉、急募ポジションの採用には不向きです。

本記事では、2020年から法人向けメタバースサービス「metatell(メタテル)」を展開する株式会社Urthが、中途採用でメタバースが効く場面と効きにくい場面を正直に整理したうえで、新卒採用との違い、最新の市場データ、導入事例、具体的な進め方までを解説します。

メタバースを使った中途採用とは

メタバースとは、アバターを介して他者とコミュニケーションできる仮想空間のことです。中途採用の文脈では、現職と転職活動を両立させる候補者に対し、時間や場所の制約を超えた接点を提供する手段として注目されています。ただし、何にでも効く万能の採用手法ではなく、使う場面を選ぶ点には注意が必要です。

オンラインゲームのイメージを持たれがちですが、採用活動における使われ方としては、むしろビデオ会議やSNSに近いコミュニケーションツールと捉えるのが実態に近いでしょう。3Dの立体空間を使うことで、Zoomなどの平面的なツールよりもオフィスの雰囲気や社員同士のやり取りを伝えやすいという特徴があります。

中途採用の候補者の多くは、現職で働きながら転職活動を進めています。訪問や決まった時間の面談が負担になりやすいため、場所や時間の制約を軽減できるメタバースには一定のニーズがあります。一方で、中途採用は新卒採用に比べて「即戦力性」や「条件面のマッチ」が重視されるため、メタバースをどの工程に組み込むかの見極めが成果を左右します。次章では、具体的にどの場面で効果が期待でき、どの場面では向かないのかを整理します。

中途採用でメタバースが効く場面・効きにくい場面

中途採用全体にメタバースを導入しても、効果は一様ではありません。候補者との関係構築フェーズでは効果が期待しやすい一方、意思決定に直結する選考や条件交渉の場面では、対面やオンライン面接に軍配が上がります。まずは「効く場面」と「効きにくい場面」を切り分けて考えることが、導入の失敗を避ける第一歩です。

効果を発揮しやすい4つの場面

中途採用でメタバースが効果を発揮しやすいのは、以下の4つの場面です。

1点目は、転職潜在層との接点づくりです。「今すぐ転職する気はないが、情報は集めたい」という層に対し、気軽に参加できる仮想空間での接触機会を用意することで、選考に進む前の関係構築がしやすくなります。

2点目は、技術職向けの職場体験です。製造ラインや研究開発の現場など、守秘義務や安全上の理由で実際に見学させにくい職場でも、仮想空間上に再現することで具体的な働くイメージを伝えられます。

3点目は、拠点が遠い候補者への職場紹介です。地方や海外在住の候補者に対し、移動の負担なくオフィスや現場の雰囲気を伝えられるため、「まず話を聞いてみよう」という応募への心理的ハードルを下げられます。

4点目は、匿名性を活かしたカジュアル面談です。アバターを介したやり取りは対面やビデオ会議よりも緊張感が少なく、候補者が自分のスキルや経験をリラックスして話しやすくなる効果が期待されます。

効きにくい3つの場面

一方で、以下の3つの場面では、メタバースを使うメリットが薄いか、かえって非効率になる可能性があります。

1点目は、選考そのものです。合否を左右する面接は、候補者・企業双方が集中して受け答えを評価する場であり、操作への不慣れや通信環境によるストレスが評価の妨げになりかねません。

2点目は、条件交渉です。年収や勤務条件のすり合わせは、細かいニュアンスのやり取りが必要であり、対面やオンライン面接(Zoom等)で表情を見ながら進めるほうが適しています。

3点目は、急募ポジションの採用です。メタバース空間の構築や候補者への操作説明には一定の準備期間が必要なため、スピード重視の採用には向きません。

オンライン面接(Zoom等)で十分なケースとの違い

中途採用の面接は、すでにオンライン化が進んでいます。マイナビ「中途採用状況調査2026年版」によると、採用面接の50%以上をWeb面接で実施する企業は増加傾向にあり(出典:マイナビ キャリアリサーチLab)、Web面接はすでに中途採用の標準的な手法のひとつになっています。

構造化された質問に沿って候補者を評価する一次面接・二次面接であれば、Zoomなどの既存のビデオ会議ツールで十分なケースが大半です。メタバースをあえて使う意味があるのは、「評価」よりも「関係構築」や「職場理解」に重きを置く場面、つまり前章で挙げた4つの場面に限られると考えるのが現実的です。両者は競合するものではなく、候補者との接点のどのフェーズで使うかによって役割が異なるツールとして使い分けるのが実務的です。

新卒採用との違いを整理する

新卒採用と中途採用では、候補者が使える時間も、企業に求めるものも大きく異なります。メタバースの向き不向きも当然変わってくるため、新卒向けの成功事例をそのまま中途採用に持ち込むと空振りに終わりかねません。両者の違いを整理すると、以下のようになります。

観点新卒採用中途採用
候補者の状況学業と並行、比較的時間に余裕がある現職と並行、時間の確保が難しい
使える時間長期的(通年・サマーインターン等)、イベント参加に積極的短時間・ピンポイント、隙間時間中心
重視点社風・成長環境・将来性即戦力性・条件面・スキルのマッチ度
メタバースの向き不向き向きやすい(説明会・交流イベントで規模とエンゲージメントを両立しやすい)場面を選ぶ(接点づくりには向くが、選考・条件交渉には不向き)

新卒採用では、多くの学生に同時に企業文化を伝える大規模説明会やインターンシップとの相性がよく、メタバースの活用事例も比較的多く見られます。一方、中途採用は候補者ごとに状況も転職理由も異なるため、大人数向けの施策よりも、少人数・ピンポイントの接点づくりに寄せる発想が合っています。新卒採用でのメタバース活用方法や具体的な手法比較は、別記事「新卒採用の主要な手法5選を徹底比較解説」で詳しく解説していますので、新卒採用をご検討の方はあわせてご覧ください。

中途採用市場の最新動向(2025年実績)

中途採用を取り巻く市場環境を踏まえると、「転職を考えている人」は増えている一方で、実際に転職に踏み切る人はやや減少しているというねじれが生じています。このギャップにこそ、メタバースで接点を作る意義があります。

厚生労働省「一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)」によると、2025年平均の有効求人倍率は1.22倍で、前年を0.03ポイント下回り、2年連続の低下となりました。求人が減る局面では、企業は限られた応募者の中から効率よく自社に合う人材を見極める必要に迫られます。

総務省「労働力調査(詳細集計)2025年平均」では、転職者数は330万人と前年に比べ1万人減少し、4年ぶりの減少となりました。その一方で、転職等希望者数は1,023万人と前年比23万人増加し、2年ぶりの増加となっています。つまり「転職したい」と考える人自体は増えているものの、実際の転職には至っていない層が一定数存在するということです。

また、リクルートワークス研究所「中途採用実態調査(2025年度実績)」(PDF)では、2025年度下半期の中途採用実施割合は84.4%と過去最高を更新しており、企業側の採用意欲自体は底堅く推移しています。

これらを総合すると、「転職したいが動き出せていない」転職潜在層にどう接点を持つかが、中途採用の重要な課題になっていると言えます。メタバースは、こうした潜在層との負担の少ないカジュアルな接点づくりに向いた手法のひとつです。

中途採用でのメタバース活用事例

中途採用領域でのメタバース活用は、新卒採用に比べるとまだ事例数が限られますが、継続して運用されている取り組みも存在します。ここでは公的機関の取り組みと、株式会社Urthが支援した企業事例を紹介します。

大阪労働局「バーチャルわかものハローワーク」

大阪労働局は2024年2月、メタバースプラットフォーム「cluster」を運営するクラスター株式会社と協力し、常設型の仮想空間相談窓口「バーチャルわかものハローワーク」を開設しました。アバターを通じて匿名性を保ったまま就職相談ができる点が特徴です。

2026年9月29日にも、クラスター代表の登壇を含む特別イベント(PDF)が開催されており、2年以上にわたり継続して運用されていることが確認できます。対象は若年層が中心ですが、「アバターの匿名性を活かして気軽に相談のハードルを下げる」という設計思想は、転職潜在層へのカジュアルな接点づくりを目指す中途採用にも参考になる取り組みです。

株式会社Urthが支援した企業事例

高知県の有限会社土佐黒潮水産では、実店舗と同じ空間をメタバース上に再現し、カツオの魅力を全国に伝える取り組みを行いました。遠方の求職者にもリーチできたことで、東京在住の人材1名の中途入社につながっています(弊社支援実績)。

あるイベント設営会社では、著作権の都合で写真や映像では見せられなかった舞台設営の裏側をメタバース空間で再現しました。中途採用の候補者に対して口頭で説明する手間を減らし、仕事のスケールや達成感を伝えやすくなったことで、入社前後のギャップによる早期離職の防止にも役立っています(弊社支援実績)。

いずれも「選考そのもの」ではなく、「職場理解」や「候補者への訴求」の場面でメタバースを活用している点が共通しています。

中途採用における具体的な使い方

中途採用でメタバースを使う場合、新卒向けの大規模説明会のような使い方よりも、少人数・ピンポイントの接点づくりに寄せるのが基本です。代表的な使い方は、以下の3つです。

転職潜在層とのカジュアル面談

学情の調査によると、転職潜在層へのアプローチを目的にキャリア採用で「カジュアル面談」を実施する企業は52.4%と、前年調査の36.7%から大きく増加しました。期待する効果としては「ミスマッチの防止」が72.8%で最多となっています(出典:株式会社学情)。

メタバース上でのカジュアル面談は、アバターを介することで「面接っぽさ」をさらに弱められる点が特徴です。候補者が構えずに自分のキャリアを話しやすくなることで、応募につながる前段階の関係構築に役立ちます。ただし、操作に不慣れな候補者には事前の案内が必要になる点は留意してください。

技術職向けの職場体験・工場見学

中途求職者はすでに業界経験があることが多く、入社後の職場環境についてシビアに見る傾向があります。メタバースでオフィスや工場を再現し見学できるようにすることで、求職者は物理的に訪問することなく、職場のレイアウトや雰囲気、設備を確認できます。

コールセンターや営業部門など、守秘義務の都合で実際の見学が難しい部署でも、仮想空間上であれば具体的な業務イメージを伝えやすくなる点がメリットです。

配属予定先の社員との交流の場

中途採用では配属先がある程度決まっているケースが多いため、入社前に配属予定先の社員と仮想空間でカジュアルに交流しておくことで、仕事内容の解像度を高められます。入社後にスムーズに職場へ溶け込むための準備にもなり、早期の戦力化につながることが期待できます。

なお、アバターの見た目や服装の設計は、候補者に与える印象を左右する重要なポイントですが、本記事では深く扱いません。詳しくは別記事「メタバースでの採用活動を成功に導くアバターの見た目と服装」で解説していますので、あわせてご覧ください。

メタバース採用の具体的な活用方法や導入メリットをまとめた資料は、こちらから無料でダウンロードいただけます。

導入を進める3つのステップ

中途採用でメタバースを導入する際は、いきなり全社展開するのではなく、小さく始めて効果を検証しながら広げるのが現実的です。

ステップ1:目的と対象ポジションを絞る

まず「選考」ではなく「関係構築」のどの場面で使うのかを明確にします。対象も、転職潜在層への接点づくりなのか、特定の技術職向けの職場体験なのか、ポジションを絞って設計することで、効果測定もしやすくなります。

ステップ2:小規模にトライアルし候補者の反応を見る

いきなり全求人に導入するのではなく、1〜2ポジションで試験的に運用し、候補者からの反応や参加率、その後の選考移行率を確認します。操作性やサポート体制の課題もこの段階で洗い出しておきます。

ステップ3:効果を検証し運用を広げる

トライアルの結果をもとに、効果が見られた場面・ポジションから徐々に対象を広げていきます。効果が薄かった場面は無理に継続せず、オンライン面接や対面に戻す判断も必要です。

導入時に注意したいポイント

効果が見込める場面であっても、運用を誤れば候補者の負担になりかねません。中途採用で特に意識したい注意点を5つに絞って紹介します。

操作のしやすさとサポート体制:中途の求職者はメタバースの操作に不慣れな場合もあります。直感的に使えるシステムを選び、初回参加者向けのサポート体制を整えましょう。

技術インフラと環境依存リスク:インターネット環境やデバイスのスペックが不十分だと参加が難しくなります。低スペック端末でも動作するシステムか、事前に確認しておく必要があります。

プライバシーとデータセキュリティ:面談や交流で得た候補者情報を安心して管理できるよう、データセキュリティがしっかりしたプラットフォームを選びましょう。

コミュニケーション設計:アバターを介した会話は、表情が見えにくい分、候補者が安心して話せる雰囲気づくりが必要です。進行役が柔軟かつ丁寧に対応することを心がけましょう。

コストと効果の見極め:メタバースの導入・運用には一定のコストがかかります。初期費用と運用コストが、どの程度の採用成果につながるのかを事前に見極めることが重要です。

これらの注意点を踏まえたうえで、小さく始めて検証しながら運用することが、中途採用でのメタバース活用を成功させる近道です。

中途採用に対応するメタバースサービス「metatell」

中途採用は新卒採用と異なり、年間を通して継続的に行われることが多いため、単発ではなく長期的に利用できるメタバースサービスが求められます。株式会社Urthの「metatell(メタテル)」は、こうしたニーズに応えるサービスです。

「metatell」はWebブラウザからアクセスできるため、VRゴーグルなどの特別な機器は不要で、スマートフォン1台から参加できます。デバイスの制約を気にせず利用できるため、候補者・企業双方の負担が軽減されます。

また、企業の個別ニーズに合わせたオーダーメイドの空間設計が可能で、充実したサポート体制のもとテスト運用から導入後の修正・改善まで柔軟に対応しています。3DCGデザイナーではなく建築デザイナーの知見を活用することで、空間のリアリティを保ちながらコストを抑えている点も特徴です。

中途採用でのメタバース活用について、具体的な導入方法や費用感を知りたい方は、サービス詳細をご覧ください。資料をご希望の方は、こちらから無料でダウンロードいただけます。

よくある質問

Q1. メタバースでの中途採用は本当に効果があるのですか? A. 効果は場面によって異なります。転職潜在層との接点づくりや、拠点が遠い候補者への職場紹介では効果が期待できますが、選考そのものや条件交渉には向きません。導入目的を明確にしたうえで活用することが重要です。

Q2. 中途採用でメタバースを使うのに特別な機材は必要ですか? A. metatellのようなWebブラウザ完結型のサービスであれば、VRゴーグルなどの特別な機材は不要で、スマートフォンやPCから参加できます。

Q3. 候補者はメタバースでの面談に抵抗を感じませんか? A. アバターを介することで匿名性が保たれ、対面やビデオ会議よりも緊張感が和らいだと感じる候補者もいます。一方で、操作に不慣れな層には事前の説明が必要です。

Q4. オンライン面接(Zoom等)との使い分けはどうすればいいですか? A. 条件交渉や合否判断に直結する面接はオンライン面接や対面で行い、関係構築段階の接点づくりにメタバースを使う、という役割分担が実務的です。

Q5. 新卒採用のメタバース活用方法とは違いますか? A. はい。新卒採用は候補者が時間に余裕を持ちやすく、大人数向けの説明会やイベントと相性がよい一方、中途採用は候補者ごとの事情が異なるため、少人数・ピンポイントの接点づくりに適しています。新卒採用での活用方法は別記事で解説しています。

Q6. 導入までどれくらいの期間がかかりますか? A. 空間の規模や仕様により異なるため一概には言えませんが、小規模なトライアルであれば比較的短期間で開始できるケースもあります。具体的な期間は個別にご相談ください。

まとめ:メタバースは「選ぶべき場面」で使う採用手法

本記事では、中途採用においてメタバースがどの場面で効果を発揮し、どの場面では向かないのかを整理しました。転職潜在層との接点づくり、拠点が遠い候補者への職場紹介、技術職向けの職場体験、匿名性を活かしたカジュアル面談では効果が期待できる一方、選考そのものや条件交渉、急募ポジションの採用には不向きです。

中途採用は即戦力性が求められるからこそ、企業文化や働き方とのマッチが欠かせません。メタバースを「選ぶべき場面」で使えば、職場のリアルな雰囲気やフィット感を事前に確かめる手段として機能し、入社後のギャップを減らすことにもつながります。

自社の中途採用のどの場面にメタバースが向いているか判断に迷う場合は、2020年から法人向けメタバースサービスを展開している株式会社Urthまでお気軽にご相談ください。これまでの支援実績をもとに、貴社に合った活用方法をご提案いたします。

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