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メタバース×音楽の最新事例集|バーチャルライブと活用のコツを解説

メタバース×音楽の最新事例集|バーチャルライブと活用のコツを解説

「メタバース 音楽」と検索する人の多くは、コロナ禍で広がったバーチャルライブが今も続いているのか、どんな事例があるのか、自分たちが音楽体験をメタバースで企画する場合に何が必要なのかを知りたいと考えています。結論から言うと、Fortniteの音楽モードやVRChat発の音楽フェス、cluster、HIKKYの「Music Vket」、初音ミクをはじめとするバーチャルシンガーのライブなど、2026年時点でも稼働している取り組みは複数あります。一方で、2021年に終了したFortniteの「Soundwaveシリーズ」のように、コロナ特需で立ち上がり役目を終えた企画もあります。本記事では、継続中のものと終了したものを区別しながら、音楽×メタバースの全体像と、音楽業界側が検討すべきポイントを解説します。

メタバース音楽とは

音楽業界とメタバースの関わりは、単発のバーチャルライブだけを指す言葉ではありません。ライブ配信、アーティストのアバター活動、ファンコミュニティの運営、グッズ・音源販売まで、接点は複数の領域に広がっています。この記事では、そのうち実際に稼働が確認できる取り組みを中心に、5つの切り口で整理して紹介します。

バーチャルライブ・音楽フェスの事例

一口に「メタバースの音楽ライブ」といっても、運営元も規模もさまざまです。ここでは代表的な5つの潮流を、継続中か終了済みかを明記しながら紹介します。全体として言えるのは、コロナ禍に生まれた企画の中にも終了したものと続いているものがあり、「メタバース=一時的な流行」と一括りにはできないということです。

Fortniteの音楽イベント(一部終了・一部継続)

Epic Gamesの「フォートナイト」は、音楽系メタバース活用の代表例としてよく紹介されますが、実態は複数の企画に分かれています。2020年4月に開催されたTravis Scottのライブ「Astronomical」は、同時接続者数1,230万人という当時の記録を打ち立て、報道によれば物販等を含めグッズ収益を含めて本人に約2,000万ドル(約20億円規模)がもたらされたとされています。その後2021年には星野源、米津玄師、Tones And I、Emicida、Aya Nakamuraらが参加した「Soundwaveシリーズ」が展開されましたが、同年10月のAya Nakamuraの公演をもって一区切りとなり、このシリーズ自体は終了しています。

一方、2023年12月に始まったリズムゲームモード「Fortnite Festival」は現在も継続しており、2024年6月にはMetallicaが出演、Lady Gagaもシーズン2のフィーチャードアーティストとして参加するなど、著名アーティストの起用が続いています。ただし2026年にはEpic Gamesが競技性の高い「Festival Battle Stage」モードの提供終了を発表しており、音楽コンテンツすべてが同じ状況にあるわけではない点には注意が必要です。

VRChat発の音楽フェス(継続)

VRChat上では、RIOT MUSICなどのクリエイターコミュニティが主催する音楽イベントが続いています。2025年11月29日には10組のアーティストが出演する「Cinderella Fes. 3rd」が、同年12月27日にはYouTubeでのみ視聴できる年末特別番組「VRC音楽祭2025」が予定されているほか、RIOT MUSICは2026年に3日間規模の大型フェス「ESPERA」を企画しています。ゲーム系プラットフォームの大型イベントに比べると規模は小さいものの、個人・インディーズクリエイターが継続的に企画できる場として定着しています。

clusterの音楽ライブ(継続)

国内発のメタバースプラットフォーム「cluster」も、音楽ライブを収益化できる仕組みづくりを進めています。2025年8月には有料チケット制イベント機能の無料トライアルが始まり、主催者とプラットフォームの収益分配(6:4)のもとでライブを開催できるようになりました。同年10月には有料ライブ企画「Cluster LIVE MUSIC CLUB」の先行体験レポートも公開されており、個人アーティストが直接マネタイズできる場として機能し始めています。

Music Vket(HIKKY主催・継続)

VR法人HIKKYが主催する音楽特化イベント「Music Vket」は、コロナ禍で音楽系クリエイターの発表の場が失われたことを受けて2020年8月に第1回が開催されました。初回は4日間で来場者数約8万人、出展サークル127組という規模でした。以降も開催を重ね、直近では2024年12月に「Music Vket 6」がVRChatと池袋サンシャインシティの会場を併用して開催されています。本稿執筆時点(2026年10月)で次回開催の正式発表は確認できていませんが、少なくとも2024年末まで継続して実施されてきた実績のあるイベントです。

国内バーチャルシンガー・VTuberのライブ(継続)

初音ミクをはじめとするバーチャルシンガーのライブも活発です。2025年は全国7会場をまわる「初音ミク JAPAN LIVE TOUR 2025 ~BLOOMING~」や、仙台・大阪で開催された3DCGライブ「マジカルミライ2025」が行われ、2026年3月にはポケモンとの全5公演のコラボライブも予定されています。ガンダムメタバースとのコラボライブ(2025年4〜5月、ブラウザ視聴・無料)のように、企業コラボの形でメタバース空間と組み合わせる例も出てきました。また、にじさんじやホロライブといったVTuber事務所も、アバター姿でのライブ・フェスを毎年大規模に開催しており(にじさんじフェス2025は2月に150名超のライバーが参加、ホロライブも年末にカウントダウンライブを実施)、「アバターの姿で歌う・パフォーマンスする」という文化はすでに一定の市場を形成しています。

アーティストのバーチャル活動

ライブという単発のイベントだけでなく、アーティスト自身が継続的にアバターの姿で活動するケースも広がっています。これは「素顔を出さずに音楽活動を続けられる」「キャラクターとしての世界観を演出できる」という、メタバース特有の価値が背景にあります。

初音ミクのようなボーカロイド由来のバーチャルシンガーに加え、VTuber事務所に所属するアーティストが音楽活動を行うケースも増えています。これらは厳密には「メタバースの中だけで完結する活動」ではなく、YouTube配信やリアル会場でのライブと組み合わさっていることが大半ですが、アバターを前提とした活動形態という点で、音楽業界がメタバース的な表現手法を取り入れている一例といえます。企業がアーティストとコラボする際も、ガンダムメタバースの事例のように「既存IPの世界観とキャラクターを組み合わせたバーチャルライブ」という形が定着しつつあります。

ファンコミュニティ・ファンミーティングとしての活用

メタバースは、単発のライブ鑑賞だけでなく、ライブの前後にファン同士が交流する「場」としても使われています。この章で押さえておきたいのは、メタバースならではの価値は「視聴」よりも「滞在・交流」にあるという点です。

VRChatやclusterの音楽イベントでは、本編のライブ配信だけでなく、会場内をアバターで歩き回りながら他の来場者と会話したり、物販ブースを回遊したりできる設計が一般的です。Music Vketも出展者と来場者がDiscord等で事前にやり取りしながら準備を進める運用が採られており、「イベント当日だけの関係」で終わらないコミュニティ形成の仕組みが組み込まれています。配信サイトのコメント欄よりも一体感を持ちやすい反面、運営側には会場内の交流を設計し、モデレーションする手間が発生する点も踏まえておく必要があります。

音源・グッズ販売とメタバースの接続

メタバースでの音楽活動は、体験の提供だけでなく販売導線としても使われ始めています。まとめると、現状は「ゲーム内アイテム・コラボグッズ」「出展型の物販」「音楽配信サービスのワールド展開」という3つのパターンに整理できます。

Fortniteの音楽イベントでは、Travis Scottのライブと連動したスキン(ゲーム内アバター用アイテム)が販売され、グッズ収益が収益源の一つになったと報じられています。Music Vketでは、VRChatの会場内に設けられたブースで楽曲データやCD、グッズの個人即売会が行われており、同人音楽市場のオンライン版としての性格を持っています。また、音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、2022年にRoblox上へ「Spotify Island」を開設し、ファンが世界観を体験しながら限定バーチャルグッズを入手できる仕組みを提供しています。2023年6月には新エリアやミニゲームを追加するアップデートが行われており、本稿執筆時点でも体験自体は公開され続けています。

リアルライブ・配信ライブ・メタバースライブを比較する

3つの形式は「どれが優れているか」ではなく「何を達成したいか」で使い分けるのが実態に合っています。ざっくり言うと、臨場感と収容人数を取るならリアルライブ、コストを抑えて広く届けるなら配信ライブ、双方向の交流とアバターでの一体感を重視するならメタバースライブが向いています。下表で主な違いを整理します。

比較軸リアルライブ配信ライブ(2D配信)メタバースライブ
同時収容人数会場の物理定員に制約理論上はほぼ無制限プラットフォームの同時接続上限に依存(数千〜数万人規模が目安)
来場者同士の交流会場内で自然発生コメント欄中心アバターでの会話・回遊が可能
地理的制約大きい(会場までの移動が必要)ほぼなしほぼなし
主催側の初期コスト会場費・人件費など高め比較的抑えやすいワールド制作・アバター制作が加わり中〜高め
視聴に必要な機材現地参加のみスマホ・PCで視聴可スマホ・PCで視聴できるものが多い(VR機器は必須でない場合が多い)
グッズ・物販との相性高い(会場内物販)中(ECへの外部誘導が中心)高い(会場内に物販ブース・アイテム販売を組み込みやすい)

いずれの形式も排他的ではなく、Music Vketのようにリアル会場とVRChat会場を併設したり、Fortniteのようにゲーム内イベントとグッズ販売を連動させたりと、複数の形式を組み合わせる運用が主流になっています。

メタバースで音楽をやる側が検討すべきこと

ここまでの事例を踏まえると、アーティスト・レーベル・イベンターがメタバースでの音楽活動を検討する際には、少なくとも3つの視点を押さえておく必要があります。

何から始めるか

最初に決めるべきは「どのプラットフォームで、何を目的に実施するか」です。Fortniteやロブロックスのような既存のゲーム系プラットフォームは、既にユーザーが多く新規の集客効果が見込める一方、出演条件や審査がプラットフォーム側に委ねられます。VRChatやclusterはコミュニティ色が強く、個人・インディーズでも企画しやすい半面、大規模な集客は主催者側の努力に左右されます。企業が自社イベントや商談会、ファンイベントの会場として音楽体験を組み込みたい場合は、既存ゲームに依存しない自社ワールドを構築できる法人向けメタバースサービスを使う選択肢もあります。

費用感の目安

制作規模によって費用は大きく変わります。既存の配信環境(YouTube Live等)を使った簡易なライブ配信であれば、機材費・人件費を含めて数万円から実施できるケースがあります。一方、オリジナルのアバターやワールドを制作し、複数カメラでの演出を加えるような作り込んだバーチャルライブになると、制作費だけで数十万〜数百万円規模になることも珍しくありません。正確な見積もりは演出内容・出演人数・配信日数によって変動するため、企画段階で複数の制作会社やプラットフォームから見積もりを取ることをおすすめします。

始める前に確認したいリスク・注意点

メタバース関連の企画は、コロナ禍の特需で立ち上がり、その後縮小・終了したものも少なくありません。実際に本記事で紹介したFortniteの「Soundwaveシリーズ」も2021年に区切りを迎えています。企画段階では、プラットフォームの運営継続性(長期的にサービスが続くか)、ライブ映像の二次利用やアーカイブ配信に関する著作権・肖像権の扱い、そして「メタバースなら必ず話題になる・必ず売上が伸びる」といった断定的な訴求を避けることの3点を、事前にチェックしておくと安心です。

まとめ

音楽業界とメタバースの関わりは、2022年頃に語られていた「VRライブ中心の一時的な話題」から、Fortnite Festival・VRChat発の音楽フェス・cluster・Music Vket・バーチャルシンガーのライブなど、複数のプラットフォームで継続する取り組みへと広がっています。一方で、コロナ特需で生まれて役目を終えた企画もあり、「今も動いているか」を事例ごとに確認する姿勢が欠かせません。自社でメタバースを使った音楽体験やファンイベントを検討する場合は、目的に合ったプラットフォーム選び、現実的な費用感の把握、そして運営継続性や権利関係のリスク確認から始めることをおすすめします。

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よくある質問(FAQ)

最後に、この記事のテーマについてよく寄せられる質問をまとめます。

Q1. メタバースでの音楽ライブは今も見られますか?

はい。Fortnite Festival、VRChat発の音楽フェス、cluster、Music Vket、初音ミクなどバーチャルシンガーのライブなど、2026年時点でも継続している取り組みが複数あります。ただしFortniteの「Soundwaveシリーズ」のように終了した企画もあるため、事例ごとの最新状況を確認することをおすすめします。

Q2. Fortniteの音楽イベントはもう終了したのですか?

Travis Scottの「Astronomical」(2020年)や星野源らが参加した「Soundwaveシリーズ」(2021年)はすでに終了しています。一方、2023年12月開始のリズムゲームモード「Fortnite Festival」は継続中ですが、2026年には競技モード「Festival Battle Stage」の提供終了が発表されており、すべてのコンテンツが同じ状況にあるわけではありません。

Q3. メタバースのライブを見るのにVR機器は必要ですか?

多くの場合、必須ではありません。Fortniteやcluster、VRChatの音楽イベントは、スマートフォンやPCのブラウザ・アプリから視聴できるものが大半です。VR機器があればより没入感の高い体験ができますが、視聴のハードルとしては必須条件ではないケースが多くなっています。

Q4. メタバースでのライブ開催にはどのくらいの費用がかかりますか?

規模によって大きく異なります。既存の配信環境を使う簡易な配信であれば数万円から実施できる一方、オリジナルのアバターやワールドを制作する作り込んだ公演では、数十万〜数百万円規模の制作費がかかることもあります。演出内容によって変動するため、個別の見積もりが必要です。

Q5. 個人のアーティストでもメタバースでのライブや物販に参加できますか?

参加できる場があります。Music Vketは個人クリエイターやサークル単位での出展枠を設けており、VRChat発の音楽フェスも個人アーティストの出演が前提になっているケースが多くなっています。

Q6. メタバースでの音楽活動は、グッズや音源の販売にもつながりますか?

つながる事例があります。Fortniteではライブと連動したゲーム内アイテムの販売、Music Vketでは会場内ブースでのCD・グッズ即売、Spotify IslandではRoblox上での限定バーチャルグッズ提供といった形で、体験と販売を組み合わせる動きが広がっています。

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