メタバース記事 2021.10.18

今年最注目トレンドのライブコマースとは!?

ライブコマース 事例

text:
Ryuto Honbu

ECサイトが普及し、様々なものがインターネット上で購入できるようになりました。その中で、売り方を工夫し、よりお客さんに購入頻度を高めてもらったり、他社よりも話題を集めるために、インターネット上での売り方も多様化しています。最近では、特にライブコマースが注目を集めていますが、今回はそのライブコマースの事例を紹介していきます!

そもそもライブコマースって何?

ライブコマース 事例 ライブ配信

現在、通信販売での主流はといえばECサイトですが、新たに注目をあびている販売形態

ライブコマース』その実態を事例を交えて説明していきます!

ライブコマースとは、ライブ配信の動画を活用してユーザーの購買を促す新しいオンライン販売の形です

ライブコマースの一番の魅力は、お客さんとの相互のコミュニケーションが取れる点、すなわちインタラクティブ性であるといえます。

リアルタイムで配信される動画で商品やサービスを紹介し、コメント機能を介して視聴しているユーザーの質問などにも答えていくなど、これまでECでは困難だったインタラクティブな接客を提供できる点がポイントとなります。

お客さんにとっても、静止画やテキストだけでは伝わりにくい商品の使用感がわかりやすく、詳しく情報を得られます。

ライブコマースの配信は、専用のプラットフォーム、もしくは自社ECサイトやSNSのアカウントを介しておこなわれます。視聴するユーザーは、配信コンテンツ経由でかんたんに商品・サービスを購入可能です。

従来のモデルであると、『ジャパネットたかた』の雰囲気に近いと思います。

ライブコマースの特徴

ライブコマース 事例 ライブ配信

ライブコマースの大きな特徴のひとつが、リアルタイム配信であること。

配信を見る場所、環境はばらばらであっても、その瞬間お客さんは配信者や他のお客さんと同じ時間を共有することになります。

数年前から、体験の価値に重きを置くコト消費が高い需要を持っています。

ライブコマースも、配信自体が体験できるコンテンツとしてユーザーが楽しんでいるといえるでしょう。生配信ならではの、次の展開がわからないドキドキ感も人の興味を惹きつけています。

また、インフルエンサーによる配信ではなく、開発者や生産者など作り手が登場する配信のほうが、実は商品の魅力が伝わりやすいという声があります。

メーカーや販売者の商品にかける熱い思いが、お客さんにとってはコンテンツとして大いに歓迎されており、好感度の上昇につながっているのです。

ライブコマースは商品・サービスの提供者とお客さんを結び付けるコミュニケーションツールとして、そしてゆくゆくはファンの育成に貢献するものとして期待されています。

ライブ配信ならではのドキドキ感と、生産者、開発者と直接つながれる安心感がライブコマースの特徴といえます。

ライブコマースのメリット

ライブコマース ライブ配信 メリット

ライブ配信のメリット、強みは次の3点があります。

  • 若い世代からの受けがいい
  • お客さんが商品のイメージをわかせやすい
  • 疑問点をすぐに解決できる

販売という形式に限らずライブ配信自体が今、とくに若い世代を中心に熱いコンテンツとなっています。

イチナナライブなどの専用プラットフォームをはじめ、InstagramやFacebookなどメジャーなSNSでもライブ配信機能が追加されています。このトレンドの波に乗り、販売形式としてのライブコマースも盛り上がりつつあるのです。

次に、ライブコマースでは配信者が手に取った感想を述べてくれたり、使用している様子を動画で見ることができるので、静止画やテキストよりも商品へのイメージが湧きやすくなります。

また、チャット機能を用いてその場で配信者に対する質問ができるので、実店舗で販売スタッフに尋ねるのと同じ感覚で疑問点を解消できる点もメリットです。

ライブコマースの市場を分析

ライブコマースは現在、世界の複数の国でその市場を拡大させている最中。それを受け、日本でも徐々に認知度が高まっています。中でも広く浸透しているのが、世界トップレベルのデジタル先進国である中国です。

中国でのライブコマース市場

ライブコマース 事例 中国 市場

中国国内ではすでに、ライブコマースを通した買い物が当たり前のこととして受け入れられています。

世界最大の会計事務所、デロイト(Deloitte)が発表しているレポートによると、2018年時点での中国におけるライブコマース市場は約44億ドル。前年に比べ、132%の成長を記録しました。推定される視聴者の数は4億5,600万人で、毎日4,000以上のアカウントが15万時間以上のコンテンツを配信しています。

中国ライブコマースの主な目的は商品のPRで、出演しているのは有名人やKOL(Key Opinion Leader)と呼ばれるインフルエンサーというケースが多いです。

中国でもっともポピュラーなECモール、淘宝(タオバオ)ももちろんライブコマースを導入済み。60万以上のアイテムがライブコマースで購入可能です。天猫や京東でも対応しています。

全体のうち、最もライブコマースが活発なカテゴリーはファッション・美容関連です。が、最近では生鮮食品のライブ配信の人気が高まっています。

実は中国、近年国民の食品生産地・供給元の安全性などに対する関心度が上がってきているのです。そうした世相が反映されているものとみられます。

日本でのライブコマース市場

ライブコマース 事例 日本 市場

一方、日本におけるライブコマース市場はどうなっているのでしょうか。浸透しはじめたのは2017年頃ですが、現状まだそこまで普及はしていません。

実際、マクロミルと翔泳社が全国の15歳~49歳の男女を対象におこなった調査によると、2019年時点で「ライブコマース」という言葉自体の認知度は、「内容も含めてよく知っている」「聞いたことはあるが内容までは知らない」と回答した人が合計で30%にも満たない結果となりました。

また、ライブコマースの配信コンテンツを見たことがある人の数もまだ少なく20%程度。さらにその中で商品の購入に至った人は3.3%でした。

参考サイト:
ライブコマースの利用意向やイメージに関する調査
ライブコマース調査結果

2018年頃から登場していた複数のライブコマースサービスの中には、2021年時点ですでに提供を終了しているものもあります。日本でのライブコマース市場は、なかなか伸び悩みそうな印象です。

ただ、今後の状況には変化が起きてくると思われます。

ライブコマースにはライブコマースならではのメリットがあり、多様化する消費者ニーズに対応できると期待されています。

また、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて多くの店舗が閉業を余儀なくされる中、店舗スタッフによるライブ配信の商品紹介によってインプレッションを伸ばした企業の例もあります。コロナ禍の現状、非接触で商品が購入できるEC販売に注目が集まっていますが、そこに実店舗と同じくコミュニケーションを通じた接客を受けられるライブコマースが、ユーザーの需要に合致したのでしょう。

このように、ライブコマースの活用はEC販売だけでなく、実店舗販売をおこなう企業・ブランドにとっても活路となる可能性を持っています。

ライブ配信を上手く活用したライブコマース事例3選

ライブコマースはリアルタイムでのやりとりが大きいのでさまざまなジャンルの商品と相性が良いと言えます。では実際にライブコマースを採用し活用している事例の紹介をしていきます。

【アパレル事例】ベイクルーズ

JOURNAL STANDARDをはじめ多数人気ブランドを取り扱うベイクルーズは、2020年の5月からライブコマースの「LIVE STYLING」を開始。スタイリングの提案を交えつつ、ファッションアイテムの紹介をおこなっています。

【食品】三越伊勢丹

百貨店の三越伊勢丹がライブ配信サービスを導入したのは、国内では一足はやい2018年。取り上げたのはお歳暮商品で、華やかなパッケージやこだわりの食材をリアルタイムで紹介し、大きな反響を得ました。

以来、お中元・お歳暮ともにライブコマースに注力し、多彩なゲストも交えて商品の魅力を配信しています。

【コスメ】資生堂

良質な製品を提供し、国内外から高い人気を集める化粧品メーカーの資生堂は、2020年7月から国内向けにライブコマースを導入しています。実は、その以前から中国の顧客を対象とした越境のライブコマースをおこなっており、売上アップに成功していました。ビューティコンサルタントによる商品の特徴紹介や使い方のアドバイスを提供し、ユーザーからの質問にもリアルタイムで答えています。


これからますます発展していきそうなEC販売の新しい形、ライブコマースについてご紹介しました。

今後、第5世代移動通信システム「5G」の普及が進むと、ますます動画コンテンツの需要は高まると予想され、人々もより強い刺激を求めるようになります。テキストや静止画での訴求から動画での訴求にシフトしていくと言われています。

これらの現象は日本国内だけでなく、世界規模で同時におこってきます。このような流れを踏まえると、ライブコマースを使った販売は、中国や他の先進国にとどまらずいずれ日本でも更に浸透していくと考えられます。

新しい販売経路の選択肢として導入検討してみてはいかがでしょうか。

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