メタバースを社会課題の解決に|NTTデータグループの日本電子計算はV-airをどう利用するのか

「情報技術で、新しい「しくみ」や「価値」を創造し、より豊かで調和のとれた社会の実現に貢献する」をビジョンに掲げ、銀行や大学、教育などの各分野で多くのITシステムや関連サービスを提供している日本電子計算株式会社(以下:日本電子計算)。

同社は「ITの力で、障がいがある、ないに関わらずみんなが仲良くなれるような世界をつくりたい」という思いから、子ども達が創る子ども達のためのメタバース空間をV-airで作成しています。

今回は、本プロジェクトを推進している日本電子計算の技術本部 COCREATION LAB部 DIGITAL技術推進担当の戸田 邦昭さまとUrthの田中大貴がこれまでの取り組みを振り返ります。

メタバースはリアルよりも上手くコミュニケーションが取れる

日本電子計算株式会社 技術本部 COCREATION LAB部 DIGITAL技術推進担当 戸田さま

田中:V-airを導入いただいたきっかけは、V-airをすでに導入されていた企業様からの紹介だったと記憶しています。改めて、当時に抱えていた課題に関してお聞かせください。

戸田:当時は、SDGs達成をどのようにして行うかが課題でした。私の息子は障害を持っており、SDGs達成は他人事ではなかったのです。

障害を持っている子にはさまざまな支援制度があるのですが、18歳を超えると受けられる支援が少なくなります。そこで、私がこれまでシステムエンジニアとして培ってきたIT技術を使ってどうにかできないかと考えていました。

田中:そこからどのようにしてメタバースを利用することになったのでしょうか?

戸田:まずアートで何かできないかと考えました。私の息子が何年も前からアート活動を支援しているNPOに楽しく通っていますし、そもそもアートは障害の有無に関わらずできるものだからです。

そのNPOの方たちとお話をしていると、一つ課題が見えてきました。すごい作品ができても美術館には展示できないし、なかなか見てもらえる機会がないということです。

この課題をどのようなIT技術で解決するのが最善なのだろうかと考えた結果、案として出てきたのがメタバースでした。

田中:多くの人に見てもらえるという点では、SNSも効果が見込めると思います。なぜ、メタバースのほうが良いと考えたのでしょうか?

戸田:SNSも素晴らしいツールだと思いますが、メタバースのほうがコミュニケーションが取りやすいと考えたからです。

障害によっては、人と上手くコミュニケーションを取ることが難しい子もいます。メタバースであれば、声で話すかチャットで話すかを自由に選ぶことができます。

リアルの同じ部屋に入れなくても、メタバースの空間なら一緒に入れたり、アバターを通して人と上手くコミュニケーションを取れる子も少しずつ出てきました。

田中:メタバースやアバターがコミュニケーションのきっかけになっているということですね。

戸田:アバターを自分で動かして、コミュニケーションを取るのが好きな子もいれば、アバターを見ているのが好きな子もいます。そういった子はパソコンの周りに集まって画面を見て「ああしよう」「こうしよう」と話すことがあります。

これが一つのコミュニケーションの形ですし、グループ学習に近いものかなと思いました。

他のサービスを検討していた中でV-airを選んだ理由

Urth 田中

田中:そこからV-airをすでに利用いただいている企業からの紹介で、導入することになりました。導入前は他のサービスとの比較は行われたのでしょうか?

戸田:行っていましたし、お話をする前は他のサービスを使おうと思っていました。ただ、田中さんとお話し「利用規約」「手頃な費用感」「人間的な魅力」の3つが理由でV-airの導入を決めました。

田中:それぞれ詳しく伺っても良いでしょうか。

戸田:一つ目の利用規約については、ビジネスとして使ってよいかどうかが明記されていたことです。当初導入しようと思っていたサービスでは、ビジネス利用も良いと明記されていなかったので、導入に踏み切れませんでした。

二つ目の手頃な費用感については、無理のない金額感で利用できるということもあり、予算内で収まりました。

三つ目の人間的な魅力については、田中さんのお話が面白かったのもありますが、特に、パートナーとして伴走していただけることに魅力を感じました。未知の領域に踏み込むときにパートナーがいることは、何よりの強みになります。

会社を巻き込むには目標を掲げることが大切

田中:そこから実際に導入されたわけですが、導入時に大変だったことはありましたか?

戸田:特に難しかったのは、どのようにしてセキュリティを強固にするのかということです。今回は普段と違うBtoCのサービスであることに加え、子ども向けということもあり、いつも以上にセキュリティを強固にしなければいけませんでした。

また、BtoCに関する法律の知識も私は持ち合わせていなかったので、会社の力を借りて、専門家に相談するなどして対応する必要がありました。

田中:会社が組織的にメタバースの導入に協力してくれたのですね。どのようにして貴社の皆さんを巻き込んでいったのでしょうか?

戸田:今回のプロジェクトの目標を事あるごとに訴えました。加えて、理解を得るために説明会やデモンストレーションを頻繁に行っています。そうすると、会社側も「何を助ければいいの?」と聞いてくれるようになり、リソースの提供や、相談に乗っていただくなど助けてもらいました。

また、会社側の制度が整っていたことも大きかったと思います。弊社では年間60時間を自分の好きなチャレンジに使える制度があり、その時間を使って社会の課題について一緒に取り組んでみませんか?と声をかけました。

おそらく「メタバースをやりたい」だけだとダメだったと思います。私が達成したい目標があって、達成方法の一つとしてメタバースを使ったのも良かったのだと思います。

田中:メタバースも一つのツールですので、何かを達成する手段としてご活用いただいているのは、大変良いことですね。

メタバースを展開したことで採用やブランディングにつながった

田中:そのようなプロセスを経て導入されましたが、現時点で出ている効果があれば教えてください。

戸田:予想外だったのが採用やブランディングに繋がったことです。弊社が提供しているサービスは自治体のシステムなど、なかなか一般の方に説明しにくいものが多いです。

システムを提供している会社ということもあり、周りからは少し堅い会社と思われていました。その中で、NPOやスタートアップと連携して、メタバースを使っていることを紹介する中で、いつもとは違った一面を見せることができ、採用やブランディングに繋がります。

実際に、弊社は金融や証券、公共、大学などの方と取引させていただいていますが、ほとんどの業界の方から「面白いことやっているね」と言われます。

田中:メタバースを採用に活かす場合は、自社のオフィスを再現するというケースが多いのですが、メタバースを利用していること自体が採用やブランディングにつながるのは珍しいケースですね。ほかにはどのような効果が出ましたか?

戸田:定性的にはなってしまいますが、子どもたちの笑顔が増えたことが何よりも嬉しいです。今回は子どもたちのメタバースということで、子どもたちにメタバース空間内の建物を作ってもらいました。

田中:子どもたちに立体的に作ってもらったものを3Dスキャンして実装しましたね。

戸田:3Dスキャンは子どもやNPOの先生たちと一緒に行いました。なかなか上手くスキャンできず、「どうやったらうまくできるんだろう」と考えながら何回も挑戦していましたがそれも一つの楽しさだったのだと思います。そのような楽しさを共有しながらできたのは良かったです。

V-airを導入したことで人との繋がりが増えた

田中:戸田さんの想いも伺っていたので、子ども達の笑顔が増えたのは私としても非常に嬉しいです。メタバースはコミュニケーションのツールですが、その面ではいかがでしょうか?

戸田:人の繋がりが増えたことです。今回は田中さんと建築士の鶴田さん、NPOの方々と行いましたが、他の分野の方と進めていくプロジェクトも走り出しています。

通常の業務では請負や委託が多いので、異業種の方とパートナーとして進めていくことはなかなかありません。パートナーと対等に話し合いながら進められるのは、良い経験になります。

田中:請負や委託だと発注先と受注先という関係性がどうしても強くなってしまい、対等に話し合いを進めるのはどちらの立場でも難しいですね。

戸田:また、今回のプロジェクトでは、NPOに通っている10歳の子からの意見も聞きました。若い方の意見を聞ける機会はそうありませんし、若い方は感性が鋭い方が多いと思っているので、そういった意見は大事にしています。

田中さんや鶴田さん含め、通常の業務であれば関わらなかったであろう方の意見を伺えたのは、メタバースに取り組んで良かったことだと思っています。

作る側も遊ぶ側もみんなが楽しめるメタバースに

田中:最後に、このメタバース空間を今後どのように活用していきたいかを教えてください。

戸田:親御さんもお子さんも、作る側も遊ぶ側もみんなが楽しめるものになったら最高だと思います。

例えば作品展やイベントを開催して、作品を見て自分も作りたいと思った子でも、1~2時間で作品を作れる。そしたら「これ見て!僕が作ったんだよ!」と親御さんに言ったりして。そうすると、親御さんと子どもはまた訪れてくれる。そういったサイクルができると良いと思います。

その子どもが親になったときに「そういえば、子どものときあのメタバースで遊んだな」と思い出してくれるくらい、息の長い活動を続けていきたいです。


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